小説 フェアリー隊
8
再び戻った戦場は、先ほどより激化していた。
無線は混線しているし、敵と味方は入り乱れ乱戦状態。
先に指示を出しておいて正解だと改めてそう思った。
ピーーー
この日、何度目か忘れたレーダーロックを告げる警報音を耳にしながら、機体を加速させる。
護衛機…と判断してよいのかわからないが、かなり高機動な無人機を相手にしているとあって、体力の消耗が激しい。
「いい加減にしろよって!」
旋回し、敵の後ろに付く。
素早く、兵装をミサイルに。
レーダーロック。
「アドラー1、FOX2!」
放たれたミサイルは敵を貫く。
「隊長!!」
無線が響く。
レーダーを見ると左翼に付く味方機が一機。
「ルキか
大丈夫か?」
「はい。何度か狙われましたが大丈夫です!」
彼女の声からして、その何度かにはかなり危ない場面があったのだろう。
「隊長、3時方向より、敵の増援です!」
「了解だ。僕達で相手しよう。」
右旋回。
敵との接触に備える。
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