小説 フェアリー隊
17
近付くにつれて黒煙が見え、その発生源である機体も見えてきた。
「損傷状態は?」
『飛行に支障はない。が、何人か負傷した。
救護班を待機させてくれ』
横を飛ぶ三上に合図して、基地に連絡を取ってもらう。
「了解した。護衛は必要か?」
『いや、大丈夫だ。
それより、隊長を!!』
三上からOKサインを見て、無線に叫ぶ。
「了解だ。
クロノス隊、戦闘空域に向かう!」
アフターバーナーを吹かし、加速していく。
3機のラプターが空を駆けていく。
しばらくすると空に光点が見え始めた。
レーダーをロングレンジ変え戦況を把握する。
っと、無線を開くと自分がいう前に、信じがたい事実が聞こえてきた。
『隊長機…スコール S-1被弾!』
そんな?ノンさんが?!
その事実を振り払うかのように機体を加速させる。
確かに一機、黒煙を上げながら降下していく機体があった。
無線には口々にノンを心配する声が聞こえる。
その中にアリシアの声が聞こえた。
っと、尾翼に何も掛かれていないF/A-18が目の前を横切る。
「アリシア!」
咄嗟に声を掛けてしまった…
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