小説 フェアリー隊
16
滑走路に着き、離陸クリアランスを待つ。
その間に、簡易チェックをする。
操縦桿を倒し、翼に異常がないか首を振り眼で見て確かめる。
「操縦翼面正常。異常なし!」
『ダリスコントロールよりクロノス1へ
離陸を許可する。』
「了解。」
スロットルを押し込み、機体を加速させる。
(久々の愛機だ…頼むぜ!)
そう祈りつつ、機体は滑走路を疾走していく。
スクランブル発進のため、アフターバーナーに点火し、機体は直ぐ離陸可能速度に達した。
スティックを引くと離陸時特有の浮遊感を味わう。
っと、僚機から無線が入る。
『ジェッツよりキャバリアへ
コチラに向かってくるフェアリー所属機があるようだ。』
そう言われて、レーダーを見ると、方位090…つまり東に1つ反応があった。
(この反応は…)
『…ちら……ゴン…ライ……』
っと、途切れ途切れの無線が飛び込んできた。
どうやらオープンチャンネルで全周波数で呼び掛けてるようだ。
「こちら、ダリス所属、クロノス隊だ。
貴機はフェアリー隊所属のドラゴンフライか?」
『やっと応答が…
その通り、我々はフェアリー隊所属、DF1だ。
被弾しているため、出力が上がらず、また無線も出力を落としている。』
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