薄桜鬼×銀魂1
夕飯
「・・・・そちらは・・」
「あ、ああ、彼は・・」
「神音君だよ、一君。僕も驚いちゃった、あの食い意地っぷりには」
白米をもぐもぐと兎のように口をせわしなく動かしながら、ものすごい勢いで食べている俺を見て、斎藤一という人物は、物こそは言わなかったが、目が「何者だ」と語っていた。
「訂正しますけど、食い意地張ってるんじゃないですヨ。【夜兎】はたくさん食べないと、エネルギー補給が出来ませんから」
そう言うと近藤さんが「やと?」と不思議そうな顔をした。
どうやら俺はターミナルもなくて、あの"夜兎"も知らない昔の侍の国に来てしまったようだ、わかってたけど。
「夜兎とは、宇宙最強最悪の傭兵部族、戦闘民族のことですヨ。俺みたいな透き通るような白い肌と普通の人とは比べ物にならない運動能力を有しています。まあ、苦手とする日光を防ぐために番傘を常にもち歩いているので、すぐに見分けがつきますけど」
そう言うと、みんなはへぇーとか、強いんだなぁとか語っていた。
「仲間だったら、随分と心強いんだろうね」
まっすぐに俺を見つめる沖田君は不敵に笑っていた。
「夜兎に"仲間"なんていないヨ」
「夜兎はただの殺人兵器。師だろうが同胞だろうが殺そうと思ったら殺す。屍を踏み越えて、ただただ戦い続ける。それが夜兎の本能。夜兎なんてそんなもんだヨ」
ごちそうさまでした、と手を合わせ音を立てずに立ち上がる。
「ああでも、存分に俺のこと遣ってくれて構わないヨ。俺はあんたたちのこと好きだからサ」
(哀れむような目で見ないでヨ)
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