薄桜鬼×銀魂1 おつかい@ 「全く、お前も災難だったなぁ。あの芸子を庇っただけで、平手を2発も喰らうなんて」 「左之さん、違うヨ。旦那は俺にかまってほしかっただけさ」 「いや、それは違うだろ」 神音という男は不思議な男だった。 見回りをする俺と芹沢さんの酒を買いに来た神音。 必然的に一緒に行くことになった。 傘をさして楽しげな様子の隣を見る。 どこの箱入り娘かと思うほど、真っ白で透き通った肌(今は立派な紅葉がついている)。 女のように艶やかな漆黒の髪(とアホ毛)。 異人特有の、蒼い瞳。 周りをよく見ており、面倒見もいい笑顔の絶えない飄々とした優男。 しかし、どこか俺たちとは一線を引いており、いつも浮かべている笑顔は、どことなく冷たかった。 「左之さん、帰りに団子買ってこうヨ」 「そうだな。じゃあ、あの店に寄るか」 頭をぐしゃぐしゃと撫でてやる。 無意識に俺の手のひらにすり寄ってきているところを見ると、まだこいつもガキなんだと実感するが、普段はそんなガキらしさを全く見せない。 だからなのか。 「神音」 「はいヨ」 俺はよくこいつを構うようになっていた。 [*前へ][次へ#] |