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小説
マリオブラザーズ「無」第1章Page@
ジリジリと太陽の光が降り注ぐ。たまに吹く風は、首に伝う汗を拭い去っていく。平和に続く一日、一日は何事もなかったかのように過ぎていく。そんな中、人々の平和を乱してしまった、一人の「無」という人物がいた。
今日もまた、何も変わらぬ日がきた。
「フゥ〜。今日も暑いね、兄さん
「まったく。こんな日はクーラーが効いた部屋でのんびりと涼んでいたいのによ…
人影があまりなく、だが車が次々と通っていく。それを眺めていた二人の兄弟。実はこの兄弟、この辺りではけっこう有名(特に兄が)でマリオブラザーズと呼ばれている。
兄の名はマリオ、少しメタボ・・・いや、小太りな青年()だ。弟の名はルイージ、兄より背が高く、しっかり者だ。
配管工の二人は只今仕事の真っ最中。汗でじっとりと服が張り付いてしまっている。
「しょうがないよ。仕事なんだし。早く終わればその分早く帰れるよ」
「それにしても暑いな…」ガチャガチャ
「兄さんそれ違うこっちのネジだってあっ逆だよ逆ったくなにしてんのさぁ…」
「うるさいただでさえイラついてんのに余計な口挟むんじゃねぇよ」
この兄弟もいつもと変わらずに仕事をし、必ずちょっとしたケンカになる。
「そ、そんなに言わなくたっていいじゃんか僕だってイラついてんのは同じなんだから
と言いつつ、言い過ぎたかなと様子を伺う。
「よーし、終わった。俺は先に帰ってるからな」
「えっちょっと待ってよもうすぐ僕も終わるから…って兄さん
「うるさいなぁ…。どうせ一緒に帰ったって暑いだけだし、俺が先帰ってクーラーつけとけば少しでも涼しくなるだろ?俺はちゃんと考えて言ってんだからよ。つーことで帰るからな」
そのちょっとしたケンカも10秒もたてば仲直りしている。
「う、うん…分かったよ」弟を置いていき、マリオは車で帰ろうとする。
「ルイージお前の麦茶飲まれたくなかったら早く来いよ
と言うと、帰っていった。「。うわっ早く帰らないとっっ
慌てながら急いで仕事を終わらせようとするルイージ。兄が意地悪そうな顔をして麦茶を飲んでるのが頭に浮かんだ。でも、ルイージはああいう兄さんは嫌いとは思わなかった。むしろ好きで、誰からでも好かれている。そんな兄さんは憧れだった。

…だが。

その憧れていた兄さんことマリオは「無」という毒に侵されてしまっていた。


「やっと終わったぁ。僕も早く帰らないと」
立ち上がろうとしたとき、一瞬だけ目の前が暗くなったような感じがした。
「…?きっと暑さでやられたんだな
そういうとルイージも帰っていった。明日も何も変わらない平和な日がきますようにと、願いながら。だけど、その願いは無念にも散ってしまった。「無」という人物のせいで…。

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あきゅろす。
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