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ポップコーン エヴァQネタバレっぽいかも
『円がまた君を導くよ。』
『大丈夫。君のせいじゃない。』
『君の望む幸せじゃ、なかったな』
目の前に居るのに。越えられない壁。君に触りたくて、助けたくて。無理矢理にでも引きちぎって僕が死ねば良かったんだ。
目の前にあるのは、君の瞳の色。
君だったモノ。君の残骸。鮮血と一緒に、君の肉片が散る。
光輝く君は最期まで綺麗だった。
唯一僕を信じた君。
唯一僕を受け入れた君。
唯一僕を拒絶しなかった君。
僕の唯一。
君は一体何だったんだろう。
もうあの声を聞けない。もうあの風に靡く銀色の髪は僕を撫でてくれない。もうあの赤い瞳は僕を見てくれない。もうあのピアノを一緒に弾けない。
もう、一緒に夜空を見れない。
『僕は君に遭うために生まれて来たんだね。』
遭ったら終わりなの。
遭ったら行ってしまうの。
『…、僕だって、…きっと、君に遭うために生まれてきたんだ…、』
もっと話せば良かった。もっともっとピアノを弾けば良かった。もっともっと君の事、聞けば良かった。
まだ何もしてないよ。
僕が死ねば良かった。
僕が死ねば良かった。
もう、会えないの?
この手が届けば、君を抱きしめられたのに。こんなに近いのに、遠い。
まだ君と手を繋いだ感触が残っている手。
この肉片すら愛おしい。かき集めて、どうにか君に戻せないか考えている自分がいる。こんなにも美しい人が、一番醜い形に吹っ飛んで死んだ。そんな事考えられない。
信じれる人が、消えた。
心の寄りどころが、なくなった。
二度と会えない。
死。
絶対に会うことが出来ない別れ。
『……僕が死ねば良かったんだ、』
ポップコーンみたいに吹っ飛んだ君にすり寄って、
ウォークマンを抱きしめる。
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