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再び北東へ

セイン達はまず、理解の街ビナーのある北東へと向かっていた。

ついでに例の一晩で消されたというアジトの様子を見に行くということで少し遠回りをしている。


整えられた道を外れ、獣道を通っているとダクーが声を上げた。
突然の行動に眉を寄せながらセインが首を傾げる。

「どうした?」

「いや、何かが落ちて来る音が聞こえたんだけど……気のせいか。」

「ついに幻聴を聞くまでになったか?」

「いやん、酷いわトバリ君☆」


ダクーとトバリの相変わらずな様子にやれやれ、と目線を外せばあまり離れていない所に食べられそうな実がなっている木を発見した。

「あれは……少し採ってくる。」

「りょ〜かい!」


元気に返事をするラルフに見送られながらセインは獣道を外れて森の中へ消えて行った。

その消えて行くのを見送ってから再びダクーとトバリに目線を遣ると疲れきった様子のトバリとニマニマするダクーが見えた。

「まったく、仲が良いんだか悪いんだか……」


ヒュ〜……

「なぁ、今何かが現在進行形で落ちる音が聞こえたんだけど。空耳?」

「いやーラルフ君と一緒に同じ空耳を聞くなんて奇遇だなぁ♪」

「俺も聞こえたぞ……ということは空耳じゃな」


ドシ―――――ン!!!


トバリの言葉を遮って何もない空から何かが降って来た。

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