「(アーチェってわかりやすいよなぁ)」
アルク、アーチェ、スタン、ティアの4人は討伐クエストのため出掛けていた。
「(アーチェはどう見ても、アルのこと好きだよなぁ)」
スタンはアルクとアーチェのやり取りを見ながらそんなことを考えていた。
「(あれ?ティアは?)」
ふと、ティアを見る。
するとティアは一心にアルクを見つめていた。
「どうしたんだよ」
「スタン。何かしら?」
「さっきからアルのこと見つめちゃってさ。もしかして、ティアもアルのこと……」
スタンはそう言って笑いながらティアを見た。
「……え?」
ティアは真っ赤だった。
「え?え!?」
ティアは困ったようにフイっと顔を背けた。
「そうだったのか?」
「……ええ。でも、私はこれでいいの。二人は、お似合いだもの」
「ティア……」
「二人とも、どうしたんだ?」
いつの間にかスタンの目の前にアルクがいた。
「あ、アル!」
「なんだ?」
「そ、そうじゃない!驚いただけだ!」
「そうか。ところでティア、大丈夫か?」
「え?」
「顔色悪いぞ。歩けるか?」
「え、ええ」
「…………ティアは、さっき怪我したんだ!」
「そうなのか?」
「あ、足を、やられたみたいだよ!だから、アルが運んでやれよ!」
「ちょ、ちょっと!余計なこと言わないでよ!スタン!」
「わかった」
アルクはうなずくとティアをお姫様抱っこした。
それを見てスタンは笑って走り出した。
「お、降ろして!」
「無理をするな」
「してないわ!」
真っ赤になりながら叫ぶティア。
「僕は、大丈夫だ。恥ずかしいが、な」
ティアがアルクの顔を見る。アルクも真っ赤だった。
「あ、アルク……」
「ティアが苦しいより、僕が恥ずかしいほうがいい。全然いい」
アルクがそう言うとティアは目を閉じてアルクの胸に額を押し付けた。
「ありがとう、アルク」
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