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七夕の話。
メインカプ(?)4つ!


レドカノ編




ドープルーンのお店にレッドが入ると、カノンノと子供達が何かしていた。

「何してんだ?」

「あっ!レッド兄ちゃん!」

近付いてきた子供の頭をポンと軽く叩きながらカノンノに尋ねた。

「今日は、七夕という日なんですって」

「タナバタ?」

「七月の七に夕日の夕で七夕と読むの」

「へぇ。何をする日なんだ?」

「レッド兄ちゃんそんなことも知らないのー?」

「悪かったな!」

子供達と騒ぐレッドを見てカノンノはくすりと笑った。

「って何笑ってんだよ!」

「きゃっ」

レッドがカノンノの頭をコツンと軽く小突いた。

「で、何すればいいんだ?あの植物をどうかするのか?」

「あれは笹よ。あれにね、自分の願い事を書いた短冊っていう紙を吊るすの」

「願い事……カノンノも書いたのか?」

「もちろん!」

「なんて書いたんだ?」

「この世界に平和が戻りますようにって」

カノンノが少し目を伏せてそう言ったのを見て、レッドは「そっか」と返した。

「俺も書いていいか?」

「ええ、もちろん」

短冊を受け取るとレッドは書き出した。

「出来た!」

「レッド兄ちゃん!貸して貸して!」

「ありがとな!」

「レッド兄ちゃんの上のほうに吊るしてあげるね!あっ!」

レッドの短冊を持っていた子供の手から短冊が落ちた。

それをカノンノが拾った。

「あっ!!」

「え、何?」

レッドが叫んだが、もう遅かった。カノンノはレッドの短冊を見た。

「カノンノが、幸せでありますように……?」

「返せよ!」

レッドが慌てて短冊を奪い取る。レッドの顔は真っ赤だった。

「だって、カノンノはいつも人の幸せばっかりだ」

「だって、私は……」

「だってじゃねぇ!カノンノだって幸せにならなきゃダメだ!」

「レッド……」

「カノンノが笑ってくれなきゃ、俺は嫌だ」

そう言ってレッドはさっきの子供に短冊を渡した。

「私は十分幸せだよ、レッド」

「違う!カノンノはもっともっと望んでいいんだ!」

「だって、あなたがこんなにも私を想ってくれているのだから」

「!」

カノンノがにっこり笑うとレッドはさっきよりも赤くなった。

「く、クエスト!クエスト行ってくる!」

慌てて飛び出して行ったレッドにくすりと笑う。

カノンノはしばらく、レッドが飛び出して行った扉を愛しそうに見ていた。
























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