長編
6(生徒会顧問室だよ)
「如月(キサラギ)せ〜せ!オレ生徒会辞めるから辞任の書類だしてくださ〜い」


エイヤ〜!と扉を開けるとイケメンホストな如月先生が中腰の体勢でビックリ顔でこっちを見てました。


「和泉じゃねーか、いきなりあけるな!びびったわ!」


中腰から立ち上がりずかずかこっちに歩いてきて頭をペシッっと叩かれました。


「ごめんね、めちゃテンション上がってて押さえきれなかった!」

「あー?あ?!そういえば今変なこといってやがったな」

「変なことじゃないよ〜。オレ生徒会辞めようと思ってせんせーに辞任の書類だしてもらおうと来たんだ」


そう言うと、目の前の如月先生がニヤリと笑った。


「そうか、すぐ出してやるからまってろ」

「ええ〜!いいの?!」


ちょっと引き留められるかと思ってたから、安心する反面なんかちょっと寂しくなった。


「ばーか。そんな顔すんな」

「そんな顔って………?」

「見捨てられた仔犬のような顔だっーの」

「え〜?オレ、段ボールに入ってそうな顔してた?」


どんな顔しちゃってたのかな……はずかしい〜……。
照れくさくてウヘヘって笑ったらまた頭をペシッっと叩かれた。


「ばーか、お前が生徒会の仕事を一人で頑張ってたのは知ってるにきまってるだろが。引き止めれるならしたいが、これ以上一人であんな量の仕事やってたら体壊すわ。それに学園の生徒だってお前だけが頑張ってたのは皆知ってるから、辞めたって誰も文句は言わねぇよ」


だから安心しろ。

と、くしゃりとオレの髪を撫で上げる如月先生はすごく優しい目をしている。


いつもだいたいニヤニヤしてるのにそんな目でみられるとソワソワしちゃうよ。


「お前が一生懸命頑張ってたから俺たち教師や生徒は見守るだけでいた、頑張ってた時に何を言おうがお前は大丈夫だと言って続けるだろ?意地を張っているとはちがう、生徒会の仕事をきちんとするという責任感がお前にはちゃんとあったんだ」


グッと強めに撫でられると鼻の奥がツーンとしてきた……
みんなちゃんと見ててくれたんだ〜。

まぁ、あいつらには無かったみたいだがな……と、如月先生は小さく呟きため息をついた。


「お前が助けを求めてきたり頼みにきたら絶対に助けてやるし、叶えてやると決めていたんだよ。お前は成績はいまいちだが常識があるから、おかしなこと言わないだろうしな」


そういってニヤリと笑う先生。



生徒会の皆がいたときは書類は生徒会側がとりにいってたけど、皆がいなくなってからは如月先生が一日に何回も書類届けにきてくれてた。
もしかしたらオレの様子を見に来てくれたんだと思う。


何回かに分けてもってくるもんだから、意地悪かと思ってスイマセンデシタ……


生徒から如月先生が人気あるのすごく分かったよ。


「和泉はよくがんばった。辞めることに悔いはないんだろ?」

「うん、ないよ」


ちょっと目がうるうるしちゃってるけど、しっかり如月先生の目を見て頷いた。





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