04.
「いや―。名前は良い友達と後輩持ったさね―」
『何でだろうね。ラビのほっぺが、つやっつやして見えるよ』
「お―い、ラビ彦!!何してんだよ次行くぞ―っ!!」
「あ、はいな―。んじゃ名前、中入って待っといてな」
『はぁ―っ…。仕方ないから待っといてあげる』
「有難うさ―!名前、愛してるさ―!」
『馬鹿な事言わずに部活頑張りぃよ―』
「アイアイサーッ!!」
ラビが男子の群れの中に入って行くと、ピ―ッという音がした。
ゲームが始まったのか。
ラビ達のゲームは中々に白熱していて、見ている方も冷や汗をかいたり、ドキドキしながら見えるものだった。
―あっ、シュート入った。
「名前、見ててくれたー!?」
『はいはい、ちゃんと見てたよ―!! てかラビ、前見て前!!』
「え?――――ぶへあっ!!」
ラビの顔面にボールがクリーンヒット。
私は笑いが抑えきれずに笑ってしまった。
「ダセェとこ見られたさ―…」
『あはは、大丈夫大丈夫!!頑張って――!』
「―おうっ!!」
嬉しそうに笑ってまたゲームに集中しだすラビ。
汗をかいてて暑そうだ。
―そういえば、近くに自動販売機があったっけ。
暑そうだし、冷たいココアでも買ってきてあげようかな。
ラビはゲームに集中しており、声をかけるのを躊躇う。
―すまんラビ、許せ。これもお前を思っての事。
私はラビに気付かれないようにそっと体育館を抜け出した。
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