君を想う歌声 6 でもよぉ…… 今季節は秋、9月も半ば、もうすぐ10月、 しかも俺は三年生、 後、学校通うの100日切って…… あれ? でもどうなんだ? 前の学校は1月の後半から 就活やら受験やらで、 学校に行く必要なかったけど、 ここ確か全寮制だよな…… つか、SERIは収録ん時 どうしてんだ一体…… 頻繁に外出してたら、 怪しまれるような気が…… ゴチャゴチャと様々な事を考えていたら、 いつのまにか随分経っていたようで、 ハッと気付いた時には、 既に約束の時間を大幅に過ぎていた。 やべぇ…… でもまずは、 この門をどうするかだよな…… 選択肢は三つ…… @飛び越える A壊す B連絡する まず第一の選択肢、『飛び越える』 はっきり言おう。無理だ。 門をよじ登る事自体難しい上に、 仮によじ登ったとして、 その後、降りるのに 苦戦する事は間違いない。 しかも俺は仮にも芸能人。 芸能人は顔が命。 否、顔ならまだしも 大事な手を怪我でもしたら、 仕事に差し障る。 よって無理。 第二の選択肢、『壊す』 とりあえずどうやったって 不可能だと思う。 こんな5mもある門を壊せるのは、 高層ビル群を普通に破壊出来る ゴジラ位だろう。 そこまででかくなくても まぁ平気だろうが、 どちらにしろ俺には無理だ。 第三の選択肢、『連絡する』 ぶっちゃけ考えるまでもなく、 方法はこれしかないと思う。 けどこの方法も俺にとっては 結構な苦痛な訳で…… 嫌々ながらも俺は携帯を取り出した。 . [*BACK][NEXT#] [戻る] |