君を想う歌声
5
この門の向こう、
繚蘭(リョウラン)学園に今日から俺は
通う事になっている。
それというのも
SERIのたっての希望だからだ。
それは一週間前の事だった……。
――――――――――――――
「KAZUの事、好きなんだけど」
SERIからの……突然の告白。
身長170、スラッとしたモデル体型、
漆黒のロングストレートの髪、
白くきめ細やかな肌、
そして…………一点の濁りもない瞳。
はっきりいってSERIの告白を断る男なんてこの世にいないと思う。←(言い過ぎ)
俺だってSERIと付き合えるのなら
付き合いたい。
ただし…………
それはあくまでも
SERIが女だったらの話で……
「好きってお前……男じゃん……」
世間で歌姫と騒がれ、
女と認識されているSERIは、
実は男だったりする。
「好きになるのに
性別は関係ないと思うけど」
そりゃ関係ねぇとは思うよ?
本人達が良けりゃさ……
でも俺は……
「悪い。俺はSERIの事、
仲間としか思ってない」
女だったら少し迷ったかもしれない。
けど仲間としか思ってないのも事実。
「言うと思った」
俺が言う事をSERIは予測していたらしく、
その口調は随分とあっさりしている。
「だったらせめて、
ひとつだけお願い聞いて?」
んでその願いってのが……
SERIの通う学校、
繚蘭学園に通って欲しいって話だ。
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