NARUTO
六
上着紛失から数日が過ぎ、シカマルとも親しくなり一緒に帰ってる時ナルトは思い出す。
『先輩の上着返すから家寄ってってください』
「はいはい」
持っていこうとして、ナルトはソファーに置いてきたまま学校に行ってしまった。
門の鍵を開けると左右には日本庭園と小川があり、橋を渡って玄関へ向かう。
「この造りは珍しいな」
爺ちゃんが譲れなかったらしいよ、と苦笑を零して返す。
玄関の鍵を開けて庭を眺めている彼を中へと呼んだ。
「おじゃまします」
『あ、そう言えば先輩が初めての俺のお客さんだ!』
「キバは・・・部活だったな」
嬉しくてナルトの表情はにこにこしていて、廊下を歩いて茶の間へ向かった。
『先輩座ってて』
「こっちでもいいか?」
縁側の方に指を差してナルトが頷くと引き戸の鍵を開けひらく。
一面に広がった風景と入り込む風にシカマルは深呼吸をして縁側に座った。
自分の家とは違い、水の流れる音は聞いていて気持ちが良く
天気の良い日はさぞかし気持ち良い昼寝が出来そうだと感じた。
『はい、どうぞ。』
「あぁ、悪いな」
ペットボトルの飲料水を受け取り、ナルトは洗濯して袋に入れた上着を前へ出した。
『上着ありがとうございました!』
「また貸してやるよ」
何度もぬすまれたくないです、とくつくつ笑う彼に言葉を返し飲料水を飲む。
「全部和室か?」
『洋室とごちゃまぜで、何か皆が拘り強くて。』
風呂は檜風呂がいい
キッチンは対面式がいいが、リビングは和室がいい
客間は和室と洋室
自分達の部屋はそれぞれ等さまざま。
『自分の部屋が洋室ならそれでいいって、後は任せたらこうなっちゃった。』
先輩は?とたずねると同じだと返す。
「そういやチョウジと知り合いなんだってな」
『先輩しってるの?』
幼なじみだ。シカマルはそう言うとナルトは笑っていた。
『チョウジと一緒に食べると楽しいから、俺好き!』
「あぁ、チョウジもそう言ってた。」
中々いないからな、と付け足すとナルトは首を傾げる。
「かなり食べるから慣れて無い奴は胸やけするんだ」
『今度焼肉行くの楽しみ!』
偽りの無い笑顔にシカマルの表情は柔らかくなり、ナルトの頭を撫でた。
「ありがとな、そう言ってくれて」
『だっ、だって俺もチョウジ並に食べるし、楽しいから』
その柔らかな笑みにナルトの頬は仄かに赤くなり、気付かれたくなくて俯く。
自分では知らない気持ち。
そう感じるようになったのはいつからだったか。
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