NARUTO
八
とんでもねぇ爺さんだとシカマルは頭の中で悪態ついた。
まだ幼かったであろうナルトにそんな小説のネタ探しでアダルト物を見せられたり、パソコンを打たされたり。
「数学が苦手なのはそれだったとはな」
『でも時間かかるけど出来てるから平気。』
にしし、と目の縁を赤くさせ無理して笑う姿を横目で見て考えるシカマル。
「夏休み、此処で一緒に課題するか?」
『は?いや、それじゃシカマルの時間無くなるから!』
コップを置いて両手を左右に振ると、無くならねぇよと返される。
「どうせ生徒会の仕事で潰れるんだ、同じだろ。」
『で、でも・・・』
間違いなく数学のペースが遅いのを自身が一番理解していて、頷く事が出来なかった。
「分からねぇ所教えてやれるし、調度いいだろ?」
『う・・・っ、うん。』
軽い笑みを含んだ声で言い終えると、ナルトは俯いて頷いた。
「早く終わったら遊び放題だろ」
『──・・・っ、ゲーム三昧!』
俯いていた頭は上がり、目をきらきらさせて喜ぶ。
「ゲーム三昧かよ」
くくっと目尻に笑いシワを浮かべて笑うと、ナルトはじゃあシカマルは?そう尋ねた。
「俺は・・・昼寝?」
『似たようなもんだ!』
腹に手を当てけらけら笑い、似た者同士だと実感する。
シカマルは立ち上がって一度背伸びをする。
「ま、あいつ等だって部活三昧だろうしな。」
結局同じだ、と顔だけ振り向いて告げる。
『シカマル仕事は?』
「あ?帰ってゆっくりしてていいぞ」
『どうせ誰もいないし、一人より早く終わるっしょ。』
委員会に出てまた仕事をしようとする姿は、面倒臭がりなのに真面目だと感心してしまう。
「んじゃこれ頼む」
『はいはーい』
夏休み中行われる他校生との練習試合の予定を打ち込んでいく。
『──・・・。』
パソコンを打つ手が止まり、先程の事を思い出す。
理由はどうであれ、抱き着いてしまったな。と。
『・・・こんなん?』
一人呟き両手を前にだして円を作る。
自分よりもがっしりとしたシカマルの身体。
そしてとくりと鼓動した胸は、彼がつけている香水の香り。
『・・・っ!』
べちんと額を叩いて目を伏せた。
俺は変態か。
心の中で呟く。
何男に顔が熱くなってるんだ、と。
そんな一部始終をシカマルは黙って眺めていた。
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