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NARUTO


好きだからなんだってんだ


すきなら
すきなら俺の気持ちは無視か。


そんなの絶対


『好きだからって勝手に人の身体弄るんじゃねーっ!』


「・・・てっ」


虚しいだけだ。


『お前いっぺん寝てろ馬鹿!』


拳骨をした手はジンジンと痛いけれど、それよりも胸が苦しい。


「お前空気読めない奴だったよな」


片膝を立てて拳骨された頭を撫でるサスケの声は冷たい。


今は、ちゃんとわかってるナルトはぎゅっ、と拳を作った。


『なら空気を読んでくれる頭や尻の軽い女や男でも抱いてればいいだろ!』


自分まで一緒にされたような気持ちになり、ナルトはそのまま玄関目指して歩く。


『・・・・・・っ』


玄関にたどり着くと、今まで我慢していたものがぽろりと涙が床へ落ちた。


昔から大人からの暴力を受けてた。


傷が出来ても直ぐに治った。


心に傷が出来ても。


「――・・・。」


大丈夫、寝たら忘れられる。


大丈夫、明日になれば笑える


『・・・っし!』

ぱん、と両頬を叩いた。


玄関戸に手を伸ばし横へずらそうと力を入れた。


『ん?開くの反対か?』


横へ動かそうとしてもびくともしない。

ただガタガタと音が鳴るだけだった。


『もしかして引くのか?・・・押すのか?!』


何をしてもびくともしない玄関戸に、ナルトのこめかみは青筋が浮き上がる。


『そうかそうか、持ち上げれば開くんだな?』


何時までも長居はしたくなくて、壊しても良いがそれだけは避けたかった。


『あーけーよー・・・っ』


どうして開かない?鍵だって閉まっていないのに。


『もういい。ぶっ壊して帰る。力の限りぶっ飛ばしてや・・・るぅ?!』


身体が後ろへ引いた瞬間、しまった、とナルトは焦った。


「何しても開かねえよ。」


『はぁ?!ちょ、降ろせサスケ!』


声を裏返らせ目を丸くするナルト。

その瞬間にサスケはナルトを肩へ担いで二階へと上がる。


「お前相当鈍いんだな。ウスラトンカチ」


『てめ、まじいい加減にしろよ』

サスケの言葉が更にナルトの青筋を増やさせた。


部屋の一室に入ると大きなベッドが視界に広がり、ナルトはぎょっとする。

数秒後にナルトの身体はベッドへと沈んだ。


『うわっ!』


「分かるわけねえよな・・・お前鈍すぎ」


きしり、と片膝をベッドに乗せてナルトの頬を包むサスケ。


サスケの言葉が解らなくて混乱するナルト。


「言ったろ、俺が執着するのはお前だって。」


『だから俺は帰れないって言いたいのかよ?!』


冗談じゃない。


俺明々後日からまた任務あるってのに!


「お前もそうだからだ。」


『・・・は?』


ちゅ、と唇に優しいキスが送られる。


キスよりも言葉に驚き硬直してしまったナルト。


『俺がサスケに執着してると?』


「でなきゃドア開いてる。」


ぎりっ、と奥歯をかんだ。


『・・・っ、ふざけんなーっ!』



俺がサスケの何に執着してるって言いたい?


俺は何も執着なんかしていない!!


『俺がサスケを恋愛感情で好きだって言いたいのか?冗談はそのお綺麗な顔に似合わないぞ!』


俺がサスケを好きなんて

俺はサスケなんか好きじゃない。

サスケの事なんて好きじゃ・・・


【だからサスケ君の事何でも良いから教えてよねー】


【サスケさんまた一段と格好良くなったよねー】


【私サスケ君昔から好きだったの!】


そんなの俺に言うな。



【どんな人がタイプなのかなぁ】

良いからでてくんな。



【間違ってサスケ君との子供出来たらいいのにーっ!】


【サスケ君と一緒に・・・】


──・・・だから嫌なんだ。


昔から注目されて、いつも俺はサスケの事を聞かれたり暴言を言われたり。

嫌でたまらなくて、憎たらしいのに


気付いたらクノイチ達に嫉妬してる自分が。



女そのものに










『――・・・っ』


「お前はやっぱりウスラトンカチだな」


溢れた涙をサスケの唇がすいつく。


ナルトはゆっくりと頭を左右に振った。


『ちがう。俺は、俺はちが・・・っふ』


その先を言わせまいと唇をふさぎ、舌に吸い付いた。



『ふ、あ、あっ』


「女に嫉妬してたろ」


『ちが・・・っん!』


瞳を笑わせて揶揄するサスケに、答えようにもそれすら許されないナルト


ぎしり、と音を立てたのはサスケの脚がナルトの腿の間に割り込む。


サスケの顔が近付けば、にやりと笑い


「もう逃がさねぇよ」


『・・・っ』



首筋に、強く吸われる痛みを感じた。


「いい加減に認めろ、ナルト。」


『変だろそんなの。俺がサスケを好きだとか。』


恋敵てライバルでいけ好かない奴だって言ってた自分が


気付きたくない気持ちに気付かされた。


泣きそうな顔をしていたらサスケに腕を掴まれた。


「なら俺も変だろ。お前が好きでずっと我慢していて

お前の気配を感じるまで待って、ずっと待ってた奴が来たら抑える事なんか出来るかよ。」


『え・・・なっ!』


腕を引かれた場所は、サスケの高ぶっている雄の部分。


自分以外のを触った事が無い場所に触れ、かぁ、と頬に熱が集まった。


「俺はこれをおかしいだなんて思ってない。
そうさせてるのがお前だからな。」


耳元で囁くと水音を出しながら耳たぶを口に含む。


『・・・っ、あ』


耳の裏筋を舌先で緩く舐め上げれば、肩を震わせた。





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