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NARUTO


『・・・っ、ふ、あ』


どうする事も出来ずに、ただ力の入らないナルトの手は、サスケの胸元で緩いシワを作るだけだった。


『サ、スケ、待てって、ば・・・っ!』


頼りなく掴んだ胸元を思い切り押すと、違いの唇が離れる。


口元に手を当ててサスケを睨む。


『お前な、いくらなんでもやり過ぎだから!』


風呂の礼がこれとか言うならサスケは変わり者だ。


頭の中で文句を言っていたせいで、サスケの手が頬に伸びていた事に気付かない。


『・・・は、なに・・・っ』


「──・・・ナルト」


そっと添えられた手にぴくりと肩を震わせ驚くも、サスケの表情を見て息を呑んだ。


何故そんな愛おしむような顔をしているのか。


その瞳に、ナルトは怯えた。


『とりあえず落ち着こ・・・うあっ!』


この目は危険だと。

だから離れようと身をよじれば身体を引かれた。


『サッ、サスケッ!』


広い胸にすっぽりと包まれ、頬や額に唇を落とされる。


『サスケ駄目だってばっ』


真っ赤な顔でサスケの身体を押してもびくともせず


耳に留まっているはずなのに、サスケは言葉を返さない。


『や、やだって、サスケやだ!』


滲む世界で身体を動かした。無言がナルトを怯えさせてしまったなんて、サスケは思わない。


首筋を唇に撫でられ震え上がるナルト。


『あ、や、あっ』


「ナルト、──・・・好きだ。」


『・・・っ!』


耳元で囁かれた甘い言葉に、ナルトはくらりと目眩がした。


「お前の気配が感じられる範囲でしか俺は術は使えない。」


『・・・え?』


肩に埋もれたまま説明をしたサスケに、ナルトは目を丸くする。


そんな言葉聞いた事が無かった。


「俺はずっとお前の気配を探してた」


『ちょ、ちょっと待てって・・・』


そんなの知らない、と返せばサスケは平然とした顔を向けた。


「火影達がでまかせ言ったんだろ」


がくりとうなだれるナルト。


ならば自分ば鍵゙ではないだろう。


『俺バーちゃんに鍵は俺だから近付くなって言われてたんだ。でも意味わかんねえ』


「やっぱお前はウスラトンカチだな」


昔の口癖を聞けて驚くが、やはりそれは腹正しかった。


「俺がお前を好きだって言ってるのに、まだわかんねぇのか」


『好きと鍵とじゃどう結び付くんだよ、大体何かなんのかよ!』



「なら分かれ。」


『はぁ?なに言っ・・・むっ!』


唇を甘く噛まれ、上下に吸われては舐められて、するりと胸元へ手を忍ばせた。


『ば、かっ、あっ!』


胸に吸い付かれると腰が大きく跳ね上がり、無意識にサスケの髪の毛を掴んだ。


この状況だと間違いなく夢のような事になるかも知れないと焦りが生まれ


さらにそれを加速させたのは、ナルトの下半身は今何も包まれておらず生まれた赤ん坊と同じだった。


頭の中で焦りが生まれ、打開策を見出だそうにもサスケからの愛撫に集中できず。


『好き、だからって・・・こんな事すんだよ』


「――・・・俺が執着するものはお前だけだ。

ナルトしかいらない。」


『な・・・っ!』


真面目な顔で告げられ、恥ずかしさで顔を付した。


『じゃあ、どうしたらサスケは自由になるんだよ』


鍵は自分。
ならば自分が何かをしなければならないと思ったナルト。


「さあな」


『うわ!』


畳の上に押し倒したサスケは、小さく口角を上げて笑んだ。


そんなの決まってる。



──・・・お前の気持ちが俺に向いたらだ。





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