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NARUTO



気まずい表情に、痺れてきた足。


『余計な事、言い過ぎじゃね?』


「・・・シカマルの奴」


教室内でキバはナルトに正座をさせられ、昨日の事を話すと

キバは気まずい表情を浮かべながら頭の中でシカマルに文句を言っていた。


「普通の世間話だろー、んな変な事言ってねぇし」


『変な事すらしてないからっ!』


足が痺れた、とナルトに言ってみるものの聞く耳を持たないナルト。


『恥ずかしかった・・・。』


俯き少しだけ頬を染める姿に、周りの生徒は凝視しキバはうなだれる。


ナルトは鈍感で周りからの視線や言葉に気付いておらず、好意を抱いている者も少なくない。







「ナルト、お前ジャージどうしたよ。」


『持ってきて・・・あれ?』


ジャージを入れていた袋が無くて、ナルトは頭が白くなる。


「ジャージ忘れた事なんてねぇだろ」


『・・・玄関かも』


家のか、と尋ねると此処のと返しナルトは駆け出した。


「あればいいけどな。」


ため息混じりにキバは呟き、玄関の方へと向かった。


以前体育で使ったTシャツが無くなった事があり、未だに未解決のまま本人は忘れてしまっている。


けれどキバはナルトに好意を寄せている誰かだと気付いているが、犯人までは辿り着けない。


「あったかー?」


『あったけど・・・』


確かにジャージの袋はあるが、表情は難しい顔をしている。


「けどなんだよ」


『上着が無い・・・』


次は上着かよ、と呟きナルトの肩をたたいた。


『・・・誰か上着忘れたから使ったのかな?』


「どうだろうな。」


どうなったらそう考えられるのか不思議ではあるが、彼らしいとキバは感じる。


ナルトと親しくなったのは席が前後だった所からで、まだ二ヶ月になるかならないかの付き合い。


「次お前達か」


「おー、シカマル体育だったのかよ」


まぁな、と更衣室へ行く途中に出会ったシカマル。


「肌さみーから上着はおってろよ」


「マジかよ!」


ナルトの方へ向くと本人すら固まっていた。


「どうした?」


「シカマル、それ貸してくんね?ナルトの玄関に忘れてたら上着盗まれてたんだよ。」


『キバ大丈夫だから!』


説明するキバにナルトは袖を掴んで伝えたが、シカマルは羽織っていた上着を脱いだ。


「風邪ひいたら大変だろ。」


『俺頑丈だからだいじょ・・・うぶっ!』

頭に被せられると、甘い香りがした。


「少し汗臭かったら勘弁な」


『い、いの?』


怖ず怖ずたずねるがシカマルはだから渡しただろ、と苦笑をこぼす。


「汗臭いのかよ、シカマル」


『いい匂いするー・・・』


ふにゃりと笑みシカマルに礼を告げたが二人は額に手をあてて俯いていた。


「・・・つか早く着替えっぞ!」


『これ洗って返します!上着貸してくれてありがとうございました!』


「おー。」


片手をあげ走り行く二人を見送ると、チョウジがやってきた。


「シカマルー、上着は?」


『貸した。無くなってたんだとよ』


ぽりぽりお菓子をたべているチョウジは、走っている二人を見て指を舐める。


「ナルト可愛いからね。僕と食べてる時とかも視線あるし。」


『だろうな。・・・食べてる?』


頷きまた食べはじめるチョウジに、シカマルは二人が知り合いなのに不思議だった。


「ナルトって僕並に食べるんだよね。だからたまに食べ放題とか行くんだ。」


『食うのか、あの細さで』


チョウジ並に食べる事がシカマルには驚きだった。


「一楽のラーメン屋で知り合ったんだよ。楽しかったなぁ。」


柔らかく笑い、シカマルもそれを見て口元を笑わせた。





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