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NARUTO


奈良家に挨拶へ向かうと、喜ばれたことにナルトは幸せを感じる。


なによりも、奈良一族が新薬の開発をしていたものが、子供が出来るものだった。


シカクもヨシノも、シカマルがナルト以外考えていないのを知っていた為、水面下で新薬を進めていたのだと。


けれどまだ完成には至っておらず、おおいに子作りに励めと言われ、ナルトは顔を真っ赤にした。

温かく迎えてくれたシカマルの家族に

結婚して子供を産めと言ってくれたシカマルに


ナルトは嬉しさと幸福感で涙を流した。


ただ、安全を考えてナルトが妊娠したと判った時から、長期任務として男であるナルトの存在を消し

産まれるまでの間だけ女のままで、周りを騙しておかなければならない。


いまのナルトと九尾ならば、安全だろうとも油断をしてはならないと話し合ったし、ナルトも九尾とも話をした。


ナルトはどうしても小さな姿で、九尾を外に出してやりたいと口癖のように何時も告げる。


そして何度か身体を重ねたある日


『ちょっ、シカマル・・・いくらなんでも・・・っ』


「突っ込んでれば孕むだろ。」

以前と同じ事をするシカマルに、ナルトは苦笑する。


「思ったんだがよ、女になってから生理来てないよな?」


『・・・なんだってばよ、それ』


全く分かっていないナルトの解答に、シカマルはもしかして、と焦りが産まれてしまった。


子宮があるだけで、機能していないのではないか


ナルトとこうして身体を重ねて、3ヶ月になろうとしていた。


「ナルト、明日ちょっと病院行って見て来るか」


『病院、行くの?』


居るかどうか見てもらおう、とシカマルは告げた。

赤ちゃんが宿っているのか不安になってきたナルトは、無意識に腹部へ手を当てた。


「最近体調も優れねぇから、ついでに風邪引いてないか診断してもらうのもいいだろ。」


『うん。なんかムカムカするし、風邪だったら困るしな。』


胃の辺りがムカムカして、食欲がわかなく味の好みが少し変わった。それはきっといまの自分が女だからだろうとナルトは考えていた。


明日、病院に行けば体調不良も分かるのかも知れないが、不安だ。


「子供が宿るって事は人によって難しい事があるし、大丈夫だ。」


『・・・うん』


優しい抱擁に、ナルトは瞼を閉じた。

もし、駄目な身体だったらどうしよう

そればかりが頭を占めて中々寝付けられなかった。








姿が女のまま、シカマルと共に産婦人科へと向かうと、周りの視線にナルトは俯いた。


産婦人科に奈良家の息子が知らない女と来ている。


ナルトは視線に堪えきれずら無意識にシカマルの手を握った。


「そんな顔するな。」


『・・・うん』


と言ったって、不安で仕方がない。

二人は受付を済ますと離れた場所へ座り、直ぐに看護師が来た。


「奈良さん、火影様からお聞きしております。今火影様が向かわれてるそうなので、暫くお待ち下さい。」


火影直々の治療に、聞こえてしまった者は驚きの顔で二人を見た。


「五代目が見てくれるから安心だろ」


『うん!』


朝から元気がなく、此処に来て更に落ちてしまった事にシカマルは悩むが、不安なのは自分もだと言いたいのを堪える。


一番不安なのは、ナルト自身なのだから。


「少し寄りかかってろ」


本当なら男のナルトはまだ里に居る。周りに浮気と思われても仕方がないが、今のナルトを一人で歩かせる訳もなく


「シカマル、こっちだ。」


「はい。」


現れた綱手はナルトへ視線を向け、元気が無いのに気付く。


シカマルは手を繋いだままナルトと歩き、検査室へと入った。


「ナルト、お前どうした」


『ばぁちゃん、俺・・・赤ちゃん駄目かも知れない。』


突然の言葉に綱手は目を丸くする。


『それに、最近具合悪いし、味の好みが変わるし・・・俺・・・っ』


堪える事が出来なくて、ナルトは涙を溢す。けれど綱手は微笑んだ。


「検査すれば直ぐだ。」


分娩台へと座らされ、腹部へタオルをかけられる。横に立つシカマルの手をぎゅっ、と握ると額にキスが落ちる。


「大丈夫だ、まだ先はあるんだ」


『・・・っ、うん』


綱手はモニターを付けて、ナルトに声をかけた。

「はじめる」


冷たい器具があそこへと触れた。




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あきゅろす。
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