NARUTO 六 検査は直ぐに終わり診察室へ戻ると、綱手の手元には二枚の写真があった。 ナルトは怖くて、不安で震えてしまい、今にでも泣きそうだがシカマルが頭をなでる。 「シカマル、ナルト良く聞きな。」 手元にあった写真を机の上へ置き、指をさす。 「喜べ、元気な双子だ。」 「──・・・っ、本当ですか!」 『・・・・・・。』 驚きと喜びが共に押し寄せ、どう反応して良いのか分からない。 「大きさからして三ヶ月って所だな。具合が悪いのは悪阻だ。」 『赤ちゃん・・・ここに、いるんだ・・・っ』 ポロポロ涙を流しながら、腹部へ手を当てるナルト。 「無理はするな。そして予定通りお前は今日から長期任務とする。」 『うん・・・っ』 「いずれサクラ達にも教えておけ」 「嫌っすよ、煩くて直ぐにバレますから。」 特に男どもには。 付け足すと綱手は納得してしまった。こうも里の実力者達を射止めてしまったナルトに、同情してしまう。 「家族にはきちんと伝えるように。」 「言ったら騒ぎそうなんすよ」 何故かそう感じてしまうが、ナルトが手を引いた。 「どうした?」 『俺は・・・俺は言いたい。』 喜んで欲しい。純粋にそう感じるナルトは、他にも三代目にも、自分の親にも告げたいと思った。 「今は悪阻が酷くなる時期に入っているから、二人で相談するように。余り無理もするな。」 『解ったってばよ!』 やっと笑顔が見れた事に二人は安心した。綱手は立ち上がりナルトの前へと立つ。 「おめでとう、ナルト」 『ばぁちゃん・・・っ』 ふわりと抱き締められ、ナルトはそのまま綱手の背手を回した。 「元気な子供を産むのが、今のナルトの役目だよ。」 『元気な赤ちゃん産むってばよ!』 大切に大切に育てて、産まれたら沢山の愛で育てよう。 診察室を出て待合室へ戻ると、やはり視線を受けるが、今のナルトは平気だった。 今お腹の中に二つの小さな命が宿っているのかと思うと、幸せを感じてしまう。 「このまま家行くか?」 『うん、知らせたい。』 出産予定は 9月末か10月初旬と言われ互いの誕生日に近い事に驚いた。 二人はシカマルの実家へと向かった。 [前へ][次へ] [戻る] |