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03.嬉し恥ずかしハプニング。

昨日は舞い上がっちゃってあんまり眠れなかった。眠たい目を擦って、支度するといつもより早めに家をでた。


「「あ…」」


そのせいもあってか、朝練へ向かうリョーマ君と朝からはち合わせしてしまった。いや、やだとかじゃなくて、嬉しいハプニングなんだけど…。


二人して、声を揃えてあ…なんてベタな事してしまい、あたしは反射的に顔を逸らしてしまう。だけど、折角会えたんだし!と勇気を振り絞ってリョーマ君を見つめる。


「お、おはよ//」


「!…はよっ」


その甲斐あって、初めて(?)リョーマ君に自分から挨拶できた。しかもちゃんと返事もしてくれた♪←


それだけで幸せいっぱいのあたしに、リョーマ君が口を開いた事によって幸せのボルテージは上がっていく。


「…一緒に行く?」


「え?」


「嫌なら別にいいけど…」


「ううん、行く!」


なんとなんと、リョーマ君から一緒に学校行こうなんて誘ってもらっちゃった。かなり有頂天になる自分を必死に抑えて、彼の隣に並ぶ。


あたしが嬉しそうに返事を返したせいか、リョーマ君が少しホッとした様に見えたのは気のせいかな?


とまあ、そんなことは置いといて、朝から好きな人と一緒に学校行けるなんて今日はきっと、ラッキーデイなんだよね!


「何でそんなに嬉しそうなわけ?」


「そうかな?ちょっとね!」


「…まあ、いいけど…(人のこと言えないし…←」


でもこんなのまだ始まりに過ぎないんだと、この時は知る由もなかった。




***

「じゃあ、リョーマ君…朝練頑張ってねっ!」


「ん、サンキュ…」


香山と、一緒に登校してきて、テニスコート付近で別れてからコートに入る。何か、今日は調子いいかもしんない、なんて思って。


「ちーッス」


「お、来たぜ来たぜー」


「聞いたぞー!オチビ!」


「!──、何スか」


コートにはいるなり、英二先輩が抱きついてきて、桃先輩がニヤニヤしながら近づいてくる。まさかとは思うけど……。


「隠さなくてもいいじゃねぇか!越前」


「だから、何の事ッスか」


訳も分からず背中を叩かれてレギュラーの先輩に囲まれた。ちなみに、手塚先輩はいないらしい…。


「彼女できたんだって?」


「は?」


「今一緒に来てただろ!」


「お前も隅に置けねぇな、置けねぇよ…」


彼女────?
まさかとは思ったけど、香山の事?


「なっ!違、アイツはクラスメートで」


「そんな誤魔化さなくていいじゃんかー、ねー大石!」


「そんなに責めたら可哀想だろ…、彼女出来たならおめでとうの一言で─」


「大石先輩まで何言ってンスか!!」


変な誤解された…。否、俺はそうなればいいと思うけど、今はまだ言えないから…。それが現実になればとは思うけどさ。


この騒ぎを止められるのは、やっぱあの人だけっしょ──…。


なのに、今日休みらしいし…、このまま行くと香山に迷惑かけかねないじゃん。やっと距離が縮まったと思ったのに。


「越前、今日部活休みだろ?よかったら彼女連れて俺ん家きなよ!特上の寿司握ってやるからさ!」


「ズルいー!俺も行く!」


「英二先輩が行くなら俺も行くッスよ!」


「じゃあ僕もお邪魔しようかな…」


「皆できなよ!親父もきっと喜ぶからさ!」


「「イェーイ!」」


俺が口を挟む間もなく勝手に話が進んで、今日、河村先輩ん家集合となった。


どうすんだよ…。




....
(けど、香山が彼女だったら)
(ホントに幸せかもね……)


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あきゅろす。
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