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Dear me, From me
7
 茶色の塊、それは段ボールに入れられた子犬だった。雨に濡れた小さな体を震わせて、必死に鳴いていた。その姿は、この鬱々とした空の下、余計に哀しく、憐れだった。雨は子犬の体力を容赦なく奪っていく。鳴けば鳴くほど体力も消耗する。それでも子犬は必死にか細い鳴き声をあげる。そうでもしないとこの世界で生きてはいけないから。
「一人なの?」
秀也は子犬に近づいた。子犬は弱々しく答えるように鳴いた。
「僕も、一人なんだ。・・・一緒だね。」
子犬は体を震わせてじっと秀也を見る。
「一緒に来る?」
くぅん。
たった一声。弱々しく掠れた、ため息にも似た鳴き声。それでも秀也には十分だった。この子犬は自分の隙間を埋めてくれるだろうという確信が何故だか秀也にはあったのだ。傘を肩にかけて小さな両手をさらに小さな体に伸ばした。

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