空にうつるもの
過去と昔と現在と
ーー・・・―――・ー
あれから何年たつだろう……。
あの日から俺の生活は変わった。
帰ってきても返事のない家の中。
多くなった一人で過ごす時間。
悲しみを紛らわすかのように、仕事に明け暮れる父親。
誰もやらない家事をやるようにもなったし。
一人でいるのにも…、慣れてしまった。
あの日から、俺は泣いてない。
ーー・・・―――・ー
『はぁーっ。考えるの止めた!止めた!』
こうゆう日は早く寝るに限る。
慣れない部屋にいるためか、考え事ばかりしてしまう。
『母さん…。』
―――――――
あれはいつだったか…。
《いい、蓮李。悲しくてもね、簡単に泣いてはいけないのよ。》
《……ゥエッ...ッグズ..どうして?おかぁ...ヒクッ....さん。こんなに...ック.悲しいのに。》
そう、あれは俺がまだ小さかった頃。
《それはね、蓮李。ーーーーーーーーーーーーーーー。》
太陽に反射した母さんの笑顔。
今でも、あの日言った母さんの言葉を覚えてる。
どこか優しく、強かな俺の………母さん。
―――――――
…………
『……うん。俺ちゃんと笑ってるよ。母さん。』
明日はこの辺を散歩してみよう。
きっと、新しい発見があるはずだ。
今日からこの街は俺の街でもある。
この街を、すきになれる…か……な……。
―スゥ― スゥ―...
その日は誰かの夢を見た気がした……。
――・・・―――・ー
「蓮李……。」
『だれ……?』
[*欠月][満月#]
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