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空にうつるもの




『ふぅ。』

―シャッ


カーテンを開けると日差しが入り込んできた。



ここは静かな住宅街。

そこまで街って感じじゃないけど、田舎って感じでもない。

静かでゆったりと流れる時間は嫌いじゃない。

この場所に決めて正解だったようだ。

日差しが心地良い…。



『そろそろ日も暮れる。お腹もすいたし…、ご飯でも作るか。』

―シャッ


―パチ

カーテンを閉めて電気を付ける。

それから料理の準備に入った。


ーー・・―――・ー

―ジュー・・ジュー・・
コンコンコン...カチャ..


料理は得意だ。
昔、必要にかられてやるようになってから、得意になった。

最初に作った卵焼きは焦げ焦げで、少し泣きそうになったのを覚えてる。

それでも父さんは、嬉しそうに残さず食べてくれた。今でもあの顔は、忘れられない。

それからは、必死に本やインターネットで勉強して、美味しいものを食べて貰おうと頑張った。

今では、残りもので料理できるほど、慣れたものだ。


―コトッ

『ふぅ。完成。』

こう、昔のことを思いだしてしまうのは、…………寂しいからだろうか。

慣れない環境はやっぱり戸惑ってしまう。

『今日は疲れたし、早く風呂入って寝るか。』


一人の家。

誰もいない場所。


『一人は慣れてる…。俺は大丈夫。俺は…大丈夫…。』

一人は……慣れてる。



[*欠月][満月#]

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あきゅろす。
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