水の旋律2 好春 *水の旋律2 好春→きら *好春の一人語り *ブログから再録 〜〜〜〜〜 一歩、二歩。 すっかりと見慣れた景色の中を、僕は一人、ただひたすらに進み行く。 柔らかい日差し。その中を吹き駆ける爽やかな風。 優しい春の、とある日曜日。 ほのかに香る桜の花が、地を駆ける足取りを更に軽いものにする。 (ちぃ姉はどんな顔をするかな?) 突然の訪問に驚くだろうか。 それとも、怒るだろうか。 僕には滅法甘い彼女のことだから、困りながらもきっと優しく微笑んでくれるのだろう。 (喜んでくれるかな?) ちぃ姉は可愛いものが大好きだから、きっと大丈夫。 揺るがない自信の先には、甘やかな花の香。 大好きな彼女の為に種から大切に育て上げた花々は、道行く人々さえも目を奪われるほどに美しく咲き誇っている。 二歩、三歩。 彼女へと続く道のりを、僕は一人、ただひたすらに辿り行く。 見えてきた寮。その前には見覚えのある立ち姿。 穏やかな午後の、とある日曜日。 風に靡く黒髪が、脈打つ心音を更に加速させてゆく。 ……君の笑顔まで、あと、もう少し。 My Sweet Eden (ちぃ姉、お誕生日おめでとう!!) (好春!?あんた、なんでここにいるのよ…!!?) END * 親愛なる灯咲さまへ、お誕生日サプライズ文です。 きらちゃんのお誕生日が4月なのは私の独断と偏見ですので、あまりお気になさらずにスルー頂けると嬉しいです…! 読破、有難うございました。 [次へ#] |