小説
神の憂鬱! 5
―― ガチャ
扉が開くと、声と同様に可愛らしい人が姿を現した
「あら?どうしたの神ちゃん?…そちらは?」
「こっちの野球してそうな顔してるのが中島くんで、アホなのが磯野。」
「ちょっ;そんな誉められても…」
『よく考えて中島。これは誉められているのか?そして俺の扱いひどくね!?;』
「そしてこっちは私の姉の姫。」
「ふふ、よろしくね。野球島くんにアホくん」
「あ、よろしくお『いやいや名前間違いひどいから!え、中島は満更でもない感じ!?;』
俺らは姫さんの部屋に通されると、少し重い沈黙が流れた
『あ…あのー…結婚されるんですよね?おめでとうございます』
「ふふっありがとう。子供は今3ヶ月目なのよ」
「だからあまり分からなかったんですねぇ。元気な赤ちゃんが生まれると良いですねぇ!」
「ありが「認めん!!!!」
『「!?;」』
神は急に声を上げたと思うと、目の前にあった小さなテーブルに片足を乗っけた
「認めん!結婚も!妊娠も!!大体相手は挨拶にすら来ていないではないか!」
「だから明日来るって前から…」
「ばっかもーーーーん!!!!ばばばばっかもーん!!遅すぎるでしょ!妊娠発覚してから何日経ったと思ってるんだぁ!!」
「いやまだ3日よ?」
「もういい!!明日返り討ちにしてやる!!」
神はそう言い捨てると、ズカズカと部屋を出ていった
い…居ずらい…。
『あ…あの…』
「…ごめんなさいね、お恥ずかしいとこ見せちゃって」
「いえ…。」
「ふふ…少し私の話を聞いてくれるかしら」
そう聞いておきながら、俺らの有無を聞かずポツリポツリと話はじめた
「実は私たちの家系は母子家庭なのよ。」
『え…!』
「だからあの子はお母さんにも私にも気をつかってか…いつの間にか家族内の父親的存在になっていた」
『え、気をつかってそうなります?』
「私が結婚すれば必然的に家を出ることになる…それが寂しかったのね。父親として。」
『え、本当にそう思ってます?;ちょ、真顔で話してるけど嘘だよね??』
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