小説
神の憂鬱! 15
『いやー、スマイルの話には驚かされたが…それより俺は二人が和解できたようで嬉しいよ!』
「そうだよねぇ!」
「ん?そりゃ仲良いに決まってるでしょう!」
神が自信満々にそう言う
「だって王子さん、よく家に遊びに来てたしね。そりゃ話す事もありますよな!」
…んん!?
アレっ、うそっ、ちょまっ…
「確か初めて会ったのは神ちゃんが10歳の時かな?その時に比べると大きくなったね!」
「いやいや!王子さんも立派な大人になって…しかもまさかスマイルくんのお兄さんだとは!!」
『ちょちょい、神さん…?』
神は何事も無いかのように「む?」と言った
『おぃぃぃぃぃ!!どこぞの馬の骨とも分かってた人じゃん!しかも顔見知りならさっきの緊迫感はなんだったんだよ!?;』
中島は呆れて白目を向いている
「あれは儀式でしょう」
『何を召還するつもりだったんだお前は!?;いや、見事に緊迫は召還されたが…』
「落ち着いて磯野くん!神ちゃんは悪くないさ!!ハハッ」
そうだな。
神だけじゃなく、王子さんも原因の内の一つだもんな。
『ったく…まず神!お前は月曜日無事にスマイルからPSPを返してもらってしまえ!!そして王子さん!アンタは姫さんと一生幸せに暮らしてしまえぇえ!!』
「ちょ、ありがとうございます」
「ハハッ!有難いよ!!」
あれ、俺は今何と言った?
いや、しかしそれより…
この大魔王磯野の言葉を軽々しく受け流すとは…
恐ろしい奴らよ!!
ふと中島を見ると、まだ白目を向いている。そしてさっきより青ざめていた。
まぁいいや。
『あれ、そういや姫さんとおばさんは?』
話に盛り上がりすぎて、姫さんとおばさんがいなくなっている事に気が付かなかった
「多分夕食作ってる。もちろん食べてくよね二人共?」
『おお!ありがとうございまーす!!』
「あ!!い、いただかせていただきます!!」
中島が返ってきた。
俺、心配してたんだぜ…中島ぁあ!!
―――…まぁ、わいわいとまた盛り上がっていると、姫さんとおばさんがどんどん部屋に料理を持ってきてくれた
白米に味噌汁そして、色とりどりのおかず…それに黒いもの
…………黒いもの!?
俺は“それ”に目が釘付けになった…!!
横を見れば、中島も同じ状態に陥っている…!!
その様子を見てか、姫さんが言った
「ふふ。これ私が作ったの!食べてね♪」
…食べてね♪…食べてね♪…食べてね♪…
大魔王磯野、逝きまーす!!
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