小説
正義のヒーロー! 15
なんて自分勝手な少女だろう…。自分から付きまとってきて、自分から離れていくなんて。
僕はあの日以来毎日、駄菓子屋の前と丘の上に行ってみる。でもそこに少女の姿は…………ない。
行きつけの駄菓子屋じゃなかったのかよ。お気に入りの場所だって言ってたじゃないか。
僕は、ずっと虐められてきた。小学生の時だって、男から良く思われた事はない。
遊ぶのなんて、兄貴としか遊んだ事がなかった。
だから。
少女と遊ぶ事は、とても新鮮な事ばかりで、戸惑ったり意味分かんない事もあったけど…………凄く楽しかった。
少女はそうじゃなかったのかな。
友達だと言って…自分の理想に近付けるために無理な約束を無理矢理して。
何かムカつく。
本当に勝手な少女だった。
そうだよ。最初から僕は少女の存在が疎ましかったじゃないか。
それがようやく居なくなった。ようやく……
じゃあ、このイラつきは何だ?
いくら暴力をふるっても解消されないモヤモヤ。むしろ、暴力をふるう度に増えている気がする…。
僕は………何て汚ない手をしているんだ…。
どんどん自分が汚れていく気がする。
暴力が気持ち悪いと感じたのは初めてだった。
そうか。僕は、僕はもう…
暴力をふるいたくない。
また、少女と遊びたい。
自分を救ってくれた少女と…っ!
仲直りをして…そして
駄菓子を買い、丘に行って…また友達になるんだ!!
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