小説
夢、到来! 7
『さすがに走りすぎじゃ…って、ガキ共が倒れ込んでるぞ!?;』
正確にはバテて座り込んでいるんだが。
一体何周まで走ったんだ…?;
俺らはガキ共の元へ急いで向かう。
…―――
「はぁ…はぁ…っ」
『おい、大丈夫か?』
俺は、一番近くにいた優助にそう問いかけた。
「…っるせぇ!はぁ…やってられっかよ!!」
そう言うと、被っていた帽子を俺に向かって乱暴に投げつける。
お、俺の怒られる意味…。
「もう嫌だ…お腹空いたよ……はぁ…」
「僕っ…もう無理です…」
「…っ……うぜぇ…」
「はぁっ…も、やめましょうよ…」
次々とガキ共は弱音を吐く。
まぁ確かに20周はキツイな、うん。
さすがに中島も考慮してくれるだろ!
『なぁ中「甘ったれるなぁあああああああああああ!!!!」
ぇえーーーっ!!!!?;
「お前ら、こんな事も出来ないでどうする!!妥協するな!弱音をはくな!!何故やる気を出せないんだ軟弱者!!!!」
ちょ、中島言い過ぎじゃないか…?
こわ……いや、ガキ共がさすがに可哀想だ;
「お前ら…今朝言った事、忘れたのか?」
ん?今朝…?
「そんな軽い気持ちなら、俺はもうお前らに野球を教えたくない。」
そう言うと、中島はグラウンドから去っていってしまった。
残された俺は、とりあえず気まずい!うん!!;
『あのさ、今朝って…何かあったのか?』
「黙れ部外者。」
「やめなさいよムギスケちゃん。お兄さんに失礼でしょ!うふふ」
薄井くん怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
「お前には関係ないだろ。」
『…優助。』
「うるさい。お前に話す筋合いはねーんだよ。」
『お前ら、ホントは野球大好きなの?』
「っ!?」
『はっはーん。なる程ね☆あったあった、俺にも素直になれない年頃がね…うんうん!』
「お前に何が分か『話せよ。』
「!!」
『話さなきゃ、何も分からない。分かってやれない。それはお前らの味方にもなってやれないって事だ。だから話せ。』
「………。」
『まぁ無理にとは言わないけどな!』
そう言って俺はガキ共に背を向ける。
そして歩き出そうとした時だった。
「ま、まって下さい…。」
「なっ…!雪じる…ふふんふふ君…。」
「雪印馬太郎君です。あなたに…今朝のことをお話します。」
優助、お前も名前を覚えきれてないのか。
『ありがとう、雪印まー君。』
「雪印馬太郎君です。」
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