小説
夢、到来! 4
「それじゃあ、練習を始めようかみんな!」
そう言う監督の言葉に、誰も動く気配がない。
どうしたんだ…?
「あ…あるぇー?あるぅぇーえ??どどどどどーしたのさみんなぁあ?」
もちつけ、監督。
「じゃ、じゃあ…キャプテン、準備運動始めようか!」
…誰も前に出ない。
反抗期か?
「じゃあ…じゃあ……!」
「監督ぅー、キャプテンって誰の事っすか?」
『…え?』
目付きの悪い…えーと、優助くんの言葉に驚く。
事実なのか、監督に対する嫌がらせなのか……。
「そもそも、練習ってなんすか?いきなり言われても困るんすけど。いつもしてないくせに。」
………………。
『「え゛ぇ゛ーっ!!!?」』
俺と中島は、まるで某マスオさんみたいに驚きを露にした。
「か、監督ぅ。どういう事ですかぁ?;」
「い、いやだな!子供の冗談に決まってるじゃないか。この子達にはどうやら好かれてはいないみたいでね…。」
『じゃあキャプテンって一体誰なんですか?』
監督は俺の質問に、一瞬ためらったように見えた。
「やめてくれよ、君まで疑っているのかい?熱く交わした握手を忘れたのかい?」
関係ねーよ。
「キャプテン…うん、キャプテンは…ムギスケ!お前だろうが!!!」
「聞いてねーよゴミ。」
うわぁ…やめてムギスケ!
そんな癒し系の顔でそんな事言わないでぇえええええええええええええええええ!!!!;
「お前は去年からキャプテンに選ばれていただろう!何故今日はその責務を果たさないんだ馬鹿者!!!!」
「喚くなクズ。自分がこのワカメリトルに入ったのは先月だ能無し。」
キツイ!キツイよムギスケェエエエ!!
てかここの少年野球、ワカメリトルって名前だったんだ!?;
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