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香蘭学園
20
視覚を奪っているものの隙間から微かに感じる光は薄暗い。

「よく効いてたみたいね。チョウセンアサガオから調合して作らせてみたんだ。…アハハ、将来薬剤師にでもなろうかな。」

何だかわからないことをペラペラ喋る。

「なぁ、ウイング、早く処刑しようぜ。」

「まぁ、キャンディ、焦んなくても時間はタップリあるし不参加のヤツにも中継してやろう。」

キャンディと言われた少年が口で飴を転がす音なのかカコッと響く。どうやら反響音からしてそんなに大きな部屋ではないようだ。

「……。」

藍は今の状況がよくないものだとは薄々感じていたが、それよりも何故自分がこんなことに巻き込まれているかを頭の中で整理した。

(利華と…いて、トイレに行って…、用を足したから教室に戻ろうとして…。)

そこからは記憶がない。

「じゃあ、スタンバイしますか…。」

カタッと床に硬い音の何かを置き、誰かの腕が伸びてきた。

「や…。」

「足押さえておけよ。」

「ほら、…腕もそこのポールにでも繋いどけ。」

上から覆いかぶさられ、力付くで押さえ付けられる。唯一自由な足をジタバタした所で所詮一対複数、限界はある。

腕をジャリっと錆びた冷たい金属に括り付けらた。

「では…処刑開始!」

カチャカチャとバックルを外し、剥き出しになりスースーする下半身。床に直にあたる肌は鳥肌が立つ。

「や、やめッ!」

肌を撫でられる感触がつい数ヶ月前の出来事を思い起こさせた。

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あきゅろす。
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