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香蘭学園
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唇を割り入ってくる舌を拒むのが精一杯だ。

「ふっ…っっ…。」

やっと離れたと思った時には顎を伝う唾液が床に溜まった。

「あのさ、どんだけ俺が我慢したと思ってるの?望田は気付いてないかもしれないけど、そうやって誰かのものになるくらいなら無理矢理にでも手に入れとけばよかった。」

「…絢斗…。」

絢斗と藍に銀糸が架かる。口元を裾で拭い、絢斗から目が離せない。


「お前を誰かに取られないように…今まで守ってきたのに裏切られた俺の気持ちわかる?」

悲痛に喋る絢斗に藍はどうにかして逃げ出すことを考える。友達として、それ以上の感情は今までだって考えたこともない。

「好きなんだ…。そいつと別れて…俺じゃだめなのかよ。」

「い…やッ。…離してよ…。絢斗…こんなのおかしいよ。絢斗は友達…。」

藍が拒絶をすると、肩を掴む絢斗の指先に力が入り、爪が食い込む。

「そっか…。」

「絢……。」

理解してくれたのか絢斗の腕が緩むと、ほっとした藍が立ち上がろうとする。


…が、身を翻され床に戻された。

ドンッ!!
衝撃が肩に走る。

「…何…ッ。」

「そんなにそいつがイイんだ?何がいい?顔、身体?」

薄く笑う口元に対して目は笑っていない。
これまで絢斗を怖いと思ったことがなかっただけに恐怖心で身がすくむ。

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