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絶望からの復活






「ピッコロ!!」



一対一で対峙しているピッコロの元へ慌ててやって来た悟空。



「…用はっ…済んだのか?」



隣へやって来た彼を、ピッコロは横目で見やる。


彼の息が若干上がっている。


相手は見た目こそ可愛らしい小型ではある。だが、あの地球の神を負かす程だ。やはり、一筋縄ではいかない存在なのだろう。



「…いや、とりあえず神さまんとこに預けてきた。色々聞きてえ事もあっからな…」



やはり、悟空もリファの存在が気になるようだ。自分の事を知っていたという事もある。全てが落ち着けば、直接彼女から問うつもりらしい。



とりあえず、今はーー。



「さっさと片付けるぞ」


「ああ!」



ピッコロ、悟空は同時に構えだした。


戦闘再開である。



「フン、惜しいぞ孫悟空、ピッコロ。お前達ほどの者が薄汚れた神の手伝いなどしおって……」



ガーリックJr.は、悟飯と共にこの二人も自分の支配下に置くつもりだったのだろうか。


自分に刃向かい、神を庇おうとする二人に対し、怒りをぶつけるかのように睨み付ける。


そして、鋭い歯を剥き出し、力を込め始めた。



ーーゴゴゴゴゴ・・・・



先程倒したガーリック三人衆とは比べ物にならない程の地響き。


そして、巨大な気がどんどん膨らんでいく。ビリビリと痛いほどに二人にも伝わり、思わずその凄さに怯んでしまった。


気だけではない。ガーリックJr.の小柄だった体型がみるみる姿を変えていく。


着ている服が破裂するように破れ、あっという間に巨大化してしまった。



「……変身出来んのか。見た目だけじゃねぇ…すげえパワーを感じっぞ……」



悟空がそう呟き、ゴクリと唾を飲んだその一瞬だった。



ーードガッ!!


「うわあっ!!」

「ぐわっ!!」




いつの間にかガーリックJr.は二人の後ろに回り、背後より襲いかかった。


ダメージを受けた彼らは、簡単に殴り飛ばされてしまった。


だが、彼らはすぐに立ち直り、体勢を整えつつ再び構える。



「へへっ、こいつはまずいかもな……」



圧倒的な力の差を見せつけられ、苦笑いを浮かべる悟空。


そんな彼の方をチラリと見やるピッコロは、本当にそうかと疑り深そうな表情を浮かべている。



「その割には涼しい顔をしていやがるな。嬉しいんじゃないのか?」


「ははっ…冗談言わねぇでくれよ。こんな感覚、オラも初めてでちょっとめぇっちまってる。けど……」



額から流れ落ちる大量の汗に、速くなる鼓動。彼の内心は嘘ではないようだ。


だが、一旦そこで言葉を切ると、スッと目を閉じる。



「…やっぱ、ちょっとだけワクワクしてっかもな!」



再び目を開けた彼の表情は、キラキラと輝き、とても生き生きしていた。


目の前にある絶望に対し、これ程に挑戦的になれる者など、そうは居ない。


これも彼の長所であるが、時には悪夢へと導く事になり兼ねないのだ。



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