仲良し三人組
「ワイルドでクールな男だろ?此処にも居るぜ〜?」
「……はあー……」
一方、ラニアはやれやれと顔に手を当て、溜め息をついた。
「タグラああ〜!随分と早いお帰りだね!」
リファは嬉しそうに、その男の元へ駆け寄った。
後ろから声をかけてきたのは、逆立った緑色の髪の男【タグラ】だ。
彼もリファの友人で、ラニアと同様にGZの一人である。
リファが言うように、派遣された惑星からついさっき帰って来たようだ。
惑星守護は、例外を除いては無期限で受け持つ事になっているが、原則的に50年に一度は帰還しなければならない。
それは、同じ星を受け持つGZ達の間でローテーションで行われる。
そして、アトラス本部に現状報告をした後、約1〜2年間は暫しの休養を取る事が許されているのだ。
とはいえ、タグラはある惑星に派遣されてまだ30年も経っていない。
何か特別な理由でもあったのだろうか。
「おいタグラ、そんなちんちくりんのどこが良いんだ?」
リファを抱き上げ自分の肩に乗せるタグラに、ラニアは頭を掻きながら不思議そうに問うた。
「ちんちくりんって…ラニア、それは乙女に向かって絶対に言っちゃいけない事だよ?」
リファは顔に深い影を作り、ラニアに怒りのオーラを突き刺した。
「乙女だと?はっ!お前からそんな言葉が出るなんざ、明日には銀河滅亡だな」
だが、そのオーラはデコピンをするかのように、いとも簡単弾き返され、リファの眼の中に戻される。
「ぐわあっ……!コラああああ!縁起でもない事を……」
案の定、リファは眼球にダメージを受け、両手で目を覆った。
「まあまあ、二人とも落ち着け。ラニア、そんな憎まれ口ばっかり叩いてるからリファに嫌われるんだぞ?好きな子ほどイジメたくなる気持ちは分かるけどな〜……」
タグラはそう言うなり、ニヤリと悪戯っぽく笑った。
「んなっ!変な事言うなよ!誰がこんなヤツ……」
断固否定するラニアだが、顔はまるで林檎のように火照っている。
「それにさ、女の子は綺麗よりリファみたいな子の方が可愛いんだよ。ちんちくりんの方が守りたくなるだろ〜?」
「……二人して私のことバカにして…」
タグラの最後の言葉を聞き、流石のリファも我慢ならず、ワナワナと怒りが込み上げて来た。
ーーキュィィィィーーン!
ーーポポポポポポンッ!
「もう知らない!勝手にしてやる!」
「あ、リファ〜、待てよ〜!」
「いやいやいや!つーかこれ解いてけよ!コラああああー!待ちやがれ!」
リファは頭に湯気を出しながら飛び去って行った。
可愛らしいお花の妖精に変えてしまったGZの二人を残して。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!