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未知の世界へ







そして数分後、リファがようやく落ち着きを取り戻すと、閻魔大王が再び話を切り出した。




「地球の神よ。先の話の通りだ。こやつは死んではおらん。移住先が決まるまで、しばらくこやつを天界で待機させてやれ」




「…わかりました。ではリファ、ついて来るが良い」




地球の神は、閻魔大王に向かって一礼すると、今度はリファの方へ視線を移す。




そして、自分の手に掴まるよう、手を差し出した。




「は、はい!よろしくお願いします!」




リファは、差し出された手をガシッと両手で掴んだ。




未知の世界へ向かうという体験に対し、緊張しているのだろうか。




彼女自身、まさかこのような形で外の世界へ飛び立つ事になるなど、想像もしなかった事だろう。




だが、形はどうであれ、彼女の願いが叶ったことに変わりはない。




「それじゃあ閻魔大王さま、お手数おかけしますが、よろしくお願いします」




リファは、閻魔大王に向かってペコリと頭を下げた。




すると、閻魔大王は頷き、




「うむ!決まり次第、そこの地球の神に伝える。まあ、それまで有意義に過ごすが良い」




何か困った事があれば、地球の神を頼るよう彼女に言った。




「ありがとうございます!行って参ります!」




リファは地球の神から片手だけ離すと、その手を閻魔大王に向かって振り、満面の笑みで消えていった。








新たな物語の始まりである。
















「…あっと言う間に行っちまった。本当、何者だったんだろうな…アイツ…」




「リファ、いいヤツ…別れる、ちょっと寂しい」




「いいヤツー、いいヤツー」




リファが消えた後、先程の三体の魂が彼女を見送るかのように、柱の影からひょこっと現れた。




「…少なくとも、何か特別な力がある事は確かだろうがな」




「「「え"………」」」





魂達の疑問に、当たり前のように答えるのは、あの世の総司である閻魔大王。




彼らは一斉にして言葉を失った。そして、もう逃げられない事を悟った。




横一列に綺麗に並ぶと、閻魔大王より審判が下されるのを怯えながら待つ。





「がっはっは!今まで散々逃げ続けていた奴らがしおらしいのう。良かろう、お前達の働きにより、リファがここまで来れたのも事実だ。少しばかり罪を軽減してやろう」




「「「ほ…本当ですか!?」」」




それを聞いた魂達は、一斉に飛び上がる。




すると、閻魔大王は頷き笑った。




ちゃんと更生すると誓うならば、地獄には落とさないと。




魂達は、喜んで更生する事を選んだのだった。




一体、彼らはどんな罪を犯したのだろうか。それはまた別の場所で語られるかもしれない。
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あきゅろす。
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