神業
ーーシャッ!
やって来たのは、青い空に覆われた円形状の敷地。その中に一つの建物が建っている。
その建物の造りは、どことなくアトラス大神殿の一部と似ているようだ。
「ここが天界だ。何もないところだがゆっくりしていくが良い」
「…いやいや…ちょっと待ってください…」
閻魔大王さまとサヨナラしてまだ1秒も経っていませんが!?
リファは、一瞬にして変わった景色を唖然として眺める。
真剣に、一体何が起こったのか分からなかったようだ。
「なに、わたしは神だ。この程度の空間移動は容易い事よ」
「おお!まさに神業ですね!」
地球の神には、出会った時からかなり興味を示していたリファ。
このような不思議な術を使えるのだと知ると、益々興味が湧いた様子。
両拳を構えるように胸の位置で立て、目はキラキラと輝いている。
「…リファよ。こちらから一つだけ問うても良いか?」
一方、地球の神はというと深刻な表情を浮かべていた。彼女に背を向けながら。
「あ、はい…何でしょう?」
自分に背を向ける地球の神に疑問を抱きつつも、リファはそのまま彼の言葉を待った。
すると、彼は辺りを見回しながら問う。
「…今やおぬしの声しか聞こえぬ。一体どこに消えてしまったのだ?」
「……へ?」
新たな問題に、リファは言葉を失った。
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