番外編
長い夜 5
ぎっ、ぎっ、と一定のリズムをもって、揺れる景色。

「は…ぁっ、あっあ……」

戸惑う思いと、初めて感じる快感に、奏荼の身体は自然と逃げを打つ。
それに気付いた国光は、奏荼の腰を掴み、揺さぶる。

「逃がさない、と言っただろう……?」
「ふ、ぁっ……ひぁっ!!」

とある一点を陰茎が掠る。
びくん、と奏荼の身体が跳ね上がり、背中がしなる。

「ココ、か」
「ひぁっ、やぁっ!!そこ……らめっ」

執拗にその場所を攻め立て、奏荼の性感を煽ると同時に、自らの絶頂を求めるように、激しく奏荼の身体が揺れた。

「また、白くな……ぁゃあっ、あっあ……!!」
「く……ッ!」

奏荼の身体が小刻みに揺れる。
どうやら、絶頂に昇り詰めたようだ。
それに遅れながら、国光も絶頂に昇り詰めた。
はっ、と息を詰める音が聞こえる。

「ハー、ハー……っく!」

胎内に居た陰茎がズルリ、と胎外に出ていく。
陰茎を包んでいた薄い被膜を外し、奏荼の横へと身体を滑らせる。

「奏荼……」
「ハチミツくん……」

甘ったるい空気の中、二人の唇が重なる。
ちゅっ、と、小さなリップ音を残して、離れる。

「………」
「………ハチミツくん?」

国光の困ったような表情に気が付いた奏荼は、顔を覗きこみ、小首を傾げる。
国光の視界に見えるのは、自身が付けた紅い花弁と、初めての情交で"女"となった奏荼の色気。
まだ、その色気に抗う術を持たない国光にとっては酷であった。
心の中で理性と欲望が、闘いを始める。
そんな国光の異変に気付いた奏荼は、その表情を良く見るため、国光に近付く。
むにっ、と、奏荼の胸が国光の腕に触れる。
まだ情交を終えてから、時間が経過していないせいか、潤んだ眼差しに、紅潮した頬が、欲望を後押しする。

「ーーーーー……奏荼、済まない」
「ふぇ?あ……っ!らめっ」

がばり、と再び、奏荼の上に乗り上げると、その首筋に噛みついた。
そして、無防備な奏荼は欲望を身に纏う、国光によって、再び、快楽にその身を委ねたのだった。




[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!