色々小説
本当の気持ち
どうしてそう思いやりが無いのかな君は…
怒ってそう言う彼に、僕は笑って答えた。
「そんなこと無いですよぅ?
結構優しいですよ僕」
そしたら彼は溜め息をついて何処がと聞いて来るので、一人辛そうにしてる部下を仲間に入れてやったんだと説明した。
「はぁ、君は外面いいからね。
私にもそうして貰いたいね」
どうやら彼は今日は機嫌が悪いらしい…
最近仕事が大変と聞いていたが、ここまでストレスが溜まっているとは…
…………
思いやり…
使ってるつもりなんだけどなぁー
機嫌の悪い相手は何したって怒るからしょうがないと思うが、ああも睨まれると心ぐるしい。
人ってなんて不便なんだろう…
機械たちは、こんな風にいちいち落ち込んだりしないのに…
言葉が無くても、データで優秀に動いてくれる。
でも人間は違う。
直ぐに疲れは溜まり、些細なことで喜んで悲しんで…
ポタリと涙が零れた。
外面がいいからじゃ無いんだ。
僕はとってもいじっぱりで弱虫だから…
大切だからこそ、上手く行かない。
こんなに大事に思ってるけど、上手く言葉で伝えられない。
必死に、貴方を思って言葉を並べるけど、それは恥ずかしさや変な意地でぐにゃりと曲がって、貴方に届く時には思いは小さくなっている。
ああ、どうしてこうも上手くいかない。
僕は貴方を思っているのに…
僕を見た貴方は驚いて、ついで悲しい顔をして僕を抱き締めた。
すまないと謝る。
くだらないと思う。
でもこんなやりとりさえ愛しい。
僕らはきっとお互い本当は馬鹿で不器用だと思う。
今、素直に言えたらいいのに…
好きです。
誰よりも、貴方のことを思っています。
……やっぱり言えない。
貴方の謝罪に返せた言葉は可愛いげの無い皮肉れたものだった。
「ロイドッ!」
「あは〜☆」
いつか…伝えられたら言いますよ。
シュナイゼル殿下。
*シュナロイ*
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