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歪みのリボーン
目覚め



大人様のベットに横たわる骸は、本当に小さい。


山本はベットの横にある椅子に腰掛けて骸を見る。


先程まで、ずっと陽の無い水中で捕らえられていた骸の肌は雪のように白い。

まるで蝋人形の様で山本は骸の頬に触れた。

「冷たい」

山本は立ち上がる。

「俺、なんか温かいもの持ってくるな」

そう言って部屋から出て行った。

「「………」」

雲雀と二人になった(骸もいるが)ランボは気まずい空気に身を小さくした。

少しの間、ランボの中で気まずい時間がたった。

だが、長い沈黙の中雲雀が動いた。

サラリと流れる髪を撫でる雲雀は、口元を吊り上げて笑った。

雲雀は小さくて可愛らしいものが好きだ。
その例にいつも小さく可愛らしい鳥を連れている。

そんな雲雀にとって今の小さな骸は物凄くツボにハマッていた。

先程も骸と聞いて一旦頭に伸ばした手を戻したが、本当は触りたくてしょうがなかったのだ。

そんな雲雀を信じられないものを見る目でランボは見つめた。

(あんなにも毛嫌いしていた六道氏の頭を撫でている…)

それどころか、雲雀は頭だけでは飽きたらず、白い小さな頬をふにふにと触る。

楽しげに笑う雲雀に、ランボは珍し過ぎて少し気持ち悪くなった。

流石に頬を弄られて目が覚めてしまったのか、骸の眉がピクリと動いた。

「ん…」

「あ、目覚ましたか?」

ランボが雲雀の後ろから乗り出して骸を覗いた。

フルリと長い睫毛がふるえ、赤と青の美しいオッドアイが姿を表す。

「…骸?」

パチリと目を開いた骸は、悲鳴を上げた。

「クヒャアッ!?
な、なんで目の前に気味悪く笑っている雲雀恭夜が!!」

骸の発言に、雲雀の後ろでランボが噴き出した。




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