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歪みのリボーン
帰りの車内




綱吉は、自分の腕の中で静かに寝息を立てるまだ小学生くらいの少年を、眉をハの字にして見つめた。


「まさか子供にされるなんてな」


そう言って子供の頭を優しく撫でる。


その手をリボーンは払った。

「姿が子供だからって油断すんなよ?
相手は六道骸だ」

元家庭教師の厳しい意見に綱吉は眉間にしわを寄せた。

「油断も何も骸は俺の守護者だよ?
…それに、今は子供なんだし」

自分の意見に言い返して来る元生徒にリボーンは拳骨をお見舞いした。

「骸がエネストローネファミリーを壊滅させたのは丁度この位の歳だった。
それに骸は本当にお前に忠誠なんて誓えないだろう?」

諭す様に言うリボーンに綱吉は口をツン出す。

「そんなの雲雀さんだってしてないじゃん」


「雲雀はいいんだ。
あいつは忠誠しなくとも、提供を結んでいる」

「なんだよ、じゃあ骸ともそうすればいいだろ?」

「骸がお前に何を望む?」

リボーンの質問に綱吉は昔からよく骸に言われたセリフを思い出す。

「………
身体を乗っ取ること」

「お前はそんなの嫌だろう?
と言うか周りが許さない」


リボーンが突き刺す様にそう言った。


元々リボーンも、その他数人のボンゴレ関係者は、今回の六道骸救出に反対だったのだ。


それを綱吉が強引に六道骸の救出を実現させた。


綱吉はきゅっと小さな骸を抱き締めた。



「リボーン達の言ってることは分かるよ。
こいつは悪逆非道の犯罪者で、俺のことを狙った人物だから危ないってことでしょ?」

「分かってるならそいつを放せ駄目ツナが」


キツい視線に苦笑いしながらツナは首を横に振った。


「無理だよ。
だって俺分かっちゃうから」

骸に向けられた綱吉の瞳には、優しさと切なさが込められている。


「骸がどんなに苦しかったか、優しいのか」

リボーンが溜め息をついた。

「お前の直感を信じろってことか?
それはただのお前の希望じゃないのか?」

「ああ…
俺は自分の感じた直感を信じるよ」


優しく、自信が零れる笑みを見て、リボーンは眉を寄せて帽子を目深にかぶった。


「今のところ、お前の超直感を信用するが…
もし骸がお前に手を上げたら、直ぐに消さして貰う」

「…お前も骸を分かる日が来るよ」


自分を優しく諭す様に囁く綱吉にリボーンはもう一度拳を振るった。


「って」

「駄目ツナが偉そうだぞ」


「すぅー」


小さな骸はまだ眠りの中にいる。




某日、ヴィンディチェの牢獄から犯罪者が出獄。
余りにも罪が重かった為、出獄には条件がついた。

囚人の力を縮小すること。

その為、出獄した囚人は実年齢の半分以下の姿で生活することを任命つかされた。

そうすることによって、犯罪を犯した能力は半減する。

出獄を求めた者はそれを了承し、引き取り手となった。




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