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歪みのリボーン
奇天烈な仕立て屋


持田はフゥ太に連れられて、森の中の家についた。


「ここがぼくの家だよ剣にぃ」

「なんかちいせぇな」

「!!」

持田の言葉にフゥ太はん〜とむくれる。

それに持田がビクリと肩を震わす。

「あっ、小さくて可愛い家だよな!
お前と誰が住んでるんだ?」

持田のフォローに気を良くしたのかフゥ太はニッコリ笑って家のドアを開いた。

「入ればわかるよ」

ガチャリとフゥ太は扉を開き、中へ入る。

フゥ太の後に続き、持田も家に入る。

「ただいまー
ハル姉〜」

「おじゃましまーす」

家の中は、外見から見た小ささより狭く感じた。

沢山の服や着ぐるみ、布などが家の中に錯乱しているからだ。

二人の声に反応して、布にうもっていた赤い何かがもぞりと動いた。

「な、なんだ?」

持田はそれに気付いて驚きの声を上げる。

じっとそれを見ていると、モコモコとした赤い毛をはやし、ギョロリとした大きな白目に点の様な黒目がついてあり、手には包丁を持った化け物が現れた。

「うひょあ?!」

持田が悲鳴を上げる。

「あ、ハル姉そこにいたんだ」

お茶を持って来たのかお盆を持ったフゥ太がニッコリ笑ってその化け物に話し掛けた。

「お、おい、ハル姉ってまさかこの化け物か?!」

持田はフゥ太の小さな身体の後ろに隠れて尋ねる。

持田の疑問に答えたのはフゥ太では無かった。

「はひ?!
化け物って失礼です!
こんな恋する花のmaidenを捕まえて!!
ハルは化け物じゃあ無いです!」

「め、めいでん?」

「乙女って意味だよ剣にぃ」

姿に似合わず化け物の声は本人の言うような乙女…女の子のものだった。


「だって、お前まんま化け物じゃん!
包丁持って一体何してんだ!!」

持田は包丁を指差し怒鳴る。


「は、はひ…
怒鳴らないで下さい」

どことなく化け物は赤い肩を落とし、シュンとしたような声を出した。

「なっ?!」

そわな姿に持田は動揺し、フゥ太は怒った。

「剣にぃ!
ハル姉を苛めちゃ駄目だよ!!
ハル姉はただなまはげの着ぐるみを来て居るだけでしょ!!」

「わ、わりぃ…
悪かった!!」

持田は頭を下げた。
そして一つの言葉に頭を傾げた。

「着ぐるみ?なまはげ?」

その時ハルの赤い身体が頭からバックリと開いた。

「ギャア?!」

持田は何度目かの悲鳴を上げる。赤い身体がグニャグニャと下に沈んで行き、中からポニーテールの可愛らしい女の子が出て来た。


「これでもハルを化け物呼ばわり出来ますか?」

腰に手を当て、キッとこちらを睨んだ女の子に持田は

「いえ…」

と首を横に振った。

「ハル姉は仕立て屋なんだよ。
アリスの服なら作ってくれるよ」

フゥ太がそんな持田に笑いながらそう言った。

フゥ太の話しにハルが瞳をキラリと輝かせた。

「アリスだったんですか?!
はひーそれを早く言って下さいよ!!
作るも何も、アリスの服なら準備してますよ!!」


ハルはヒラリと可愛らしい女物の服を出した。

「はぁ?!
そんなもん着れるか」

持田が顔を赤くして叫んだ







仕立て屋

それは森のお家に住んで居る

ハリネズミの子と住んで居る

彼女の作る服は奇天烈で、面白い

それは彼女の性格そのもの

奇天烈で面白く、そして暖かい

アリス君は

一時の楽しい時を過ごすだろう

一時の暖を取るだろう


そう一時の…



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