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ギアス夢物語
No.08「同室者」



あれから俺は生徒会の皆に自己紹介して貰い、リヴァル先輩に寮の案内をしてもらうことになった。

「あの、さっきの話しなんですけど…」

「え?何?」

「スザクさんのこと」

リヴァルは先程言ったことを思い出し、ああと頷いた。

「名誉ブリタニア人で唯一のナイトメア騎乗権を持つ軍人。

しかも、我がブリタニア帝国皇帝陛下の騎士ナイトオブラウンズ!

そんな彼はついこの前までうちの生徒会員だったんだぜぇ」

リヴァルは自慢げに、そして仰々しく話す。

スザクは今皇帝陛下の騎士なのか…。

思ったけど、本当に俺に出来ることなんてあるのか?

助けが必要だろうか?

「着いたぞ〜」

俺はリヴァル先輩の声に顔を上げた。
前には寮の一室のドアが開かれていた。

「今日からここが直哉の家だ!」

リヴァル先輩は手を広げて俺を招く。

「家…」

俺はその単語に一瞬だけ我が家を思い出した。

「ん?」

動かない俺にキョトンとした目をするリヴァル先輩。

「なんでもないです。
お邪魔します」

そう言って部屋に足を踏み入れる。

「お邪魔しますって、だからお前の部屋なの!」
ずずいと鼻に一差し指を押し当てられる。

は、鼻が…。

「わ、わかりました」

「あと敬語無し!
今日から俺ら同室よぉ、固っ苦しいのは止めようぜ」

「分かった」

俺は頷いた。

俺はこの時、自分が異世界に居て、ここが日本であり日本で無いことを忘れていた。

リヴァルが俺を見て吹き出す。

「くっ、あははっ。
直哉っそれ」

「…何?」

大笑いするリヴァルが指さす方を見て俺は気付いた。


靴…脱がなくていいんだ。

俺は外国に来たってことを凄く実感した。

俺は何も言わず急いで靴を履いた。

「くっふ、ふふふ」

「そこまで笑わなくても」

俺はリヴァル先輩を睨む。
日本人なんだから仕方ないだろこの間違いは!

「いやぁー悪い、悪い。
お前が全く気付いて無いから面白くて」

ケラケラ笑うリヴァルを見ながらふと違和感を感じた。

ムカツクけど、不愉快にならない。

なんだろ、この感覚は…

俺はリヴァルを見上げる。

リヴァルは笑い泣きで片目を擦り、片手を俺の頭に置いた。

大きな手の感触を感じた。

「分からないことがあったらなんでも聞けよ。
このリヴァル先輩が答えてやるからな!」

「……うん」

心が暖かい。
懐かしい感覚だな。

「これから同室者、よろしくな!」

「よろしく、リヴァル先輩」



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