a man with a double character ◆ 朝練が終り、昇降口へ行った。 今日も最悪な部活だった。 私は上履きを取るために下駄箱を開けた… ……少し後悔した…。 …うさぎの死体が入っていた。 ああ、可哀相。 もっと生きたかっただろうに… 本当に可哀相。 私は無表情のままうさぎを持っていた袋に入れて、中庭に埋めてやった。 誰がやったんだろうね? 『本当にね…』 雛歌も同じ気持ちか… 『何もしていないのに死ぬなんて…本当に哀れ。』 …雛歌の言葉が何故かとても悲しそうだった。 何かを思い詰めているような感じだった。 『彗歌、そろそろやり返しても良いとおもうよ。』 …えっ? 『うさぎを殺すようなやつらだ…だから、もうやってはいけないことの区別もできないさ。』 ……… 『彗歌、やり返す事は暴力とかじゃないよ?』 だったら…何? 『正当防衛さ。』 ………… 本当にそうなのかな? なんだか、私まで暴力を誰かにふるったり、暴言とかを言ったら…私まで同じになるような気がする。 でも、確かに正当防衛になるのかもしれない… 『彗歌、大丈夫。僕は彗歌に暴力なんかさせないよ。』 えっ? 『僕に任せて。』 ……わかった。 私は少しの疑問を抱えながら、教室へと向かった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |