9
『ここでぃぃや。
夏樹クン、今日は本当にありがとう!』
家の近くで頭をペコリと下げた。
いくら"気にするな"と言われても、助けてもらったのは事実。
お礼はちゃんとしたい。
「ぃぃえ。」
呆れたように、夏樹クンがクスクスと笑う。
「俺の番号。
何かあった時のために。
相談でもぃぃし。」
笑ったまま、携帯の赤外線を受けるように促される。
それを登録したのを確認すると、"じゃっ"と来た道を帰って行く。
『えっ?!
私のいらない??』
後ろ姿に問いかけると、
「後でメールちょうだい。」
あっと言う間に角を曲がり、姿は見えなくなってしまった。
普段はあんな早足なのに、今日は私に合わせてくれていたんだ。
『皆、優しいんだな…』
.
◇back*
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