お恥ずかしながら。
ねえ先生!3
"偵察"
「先生ってさ、彼女いるの?」
私は、次の標的にしようかと予定中の担任教師に声を掛けた。
「勝手に群れてて。僕は暇じゃない。」
軽く、あしらう教師。そんなのは想定内。
私だって成功を収めている分、失敗だってキッチリ収めているのだ。
まぁもっとも、最近は随分要領を得てしまって、手応えのない兎ばかりだけど。
でもそれだって、要領を得るまでには随分苦労したのだから、私だって一般の女の子とさほど変わりはない。
「だって私、群れるのキライだからさ」
まさしく用意していた回答を述べる。
相手の独特の言い方(群れるだとか咬み殺すだとか)はもちろん、趣味は学校だって事も汚い言葉遣いがキライなのも調査済みだ。
「ふぅん、そう」
まずは、第一印象が大切。…いや、「まずは」ではなく第一印象は一番大切。
これが「嫌悪」だったり「拒絶」だったりすると最悪。第一印象はまずほとんど変わらないから、これが悪かったりするとそのゲームはすでにTHE・END。
「ね、彼女いるの?」
軽くあしらわれて引き下がっているようではいけない。もう一度、しつこく同じ質問を繰り返す。
それを考えると私も、随分と図太い神経になったかも……。
「はぁ、それ知ってどうするの?」
彼が返事らしい返事を返してくれた。
ああこれは、会話する意志があるって事。
とりあえずは一歩前進だろうか?
「さぁ、どうしてだろうね?」
軽くはぐらかしてみる。
これはもう勘といえばいいか。
そうしたら、上手くいきやすいというだけ。
「なにそれ、理由もないのに聞くの?」
彼の怒ったような声、だけど、質問してくるってことは会話がしたいんだろう。
「うーん、しいていえば、彼女がいたらすごいなって感じかな」
「いたらすごいって、いないのを前提としてるよね」
「あは!そうかも!」
ニコニコポーカーフェイスを忘れない。
笑っているけど、心は笑ってない。
まだまだ、このゲームの本当の娯しさはない。
まだゲームは始まっていない。
私は、教師と当たり障りのない会話をして、その日の休み時間を終えた。
――――――――……
螺旋歯車はすでにこの時点で噛み合っていたのだけど、捕まえた兎で遊ぶのに夢中な彼女は気付いていない。
「草食動物扱いされるなんてね。馬鹿じゃない?」
continue…
かきくけこんにちは!
チロですっ!
三話目となりましたが……。。
ええ、ええ。
最後のセリフは言わずと知れた方ですね。
はい、正解です!
ね、なんだろうか何やら黒々とした雰囲気のものがきましたよっ!
ではまた次回!
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