お恥ずかしながら。
淫魔Ver.攻A
「…ッ誰…!」
途端に冷静になった僕は、今まで自分でしていた行為が、とてつもない羞恥となってよみがえった。
女みたいな声を出しながら涎を垂らして自身を扱いている姿は、さぞかし滑稽であったことだろう。
「いやー、危ない」
のそのそ、と僕のベッドに這い上がってきたのは、
なんと女子だった。
それも何か…、変な格好をした。
魔法使い?いや違う、魔法使いは黒いマントにトンガリ帽のはず。彼女はピンク(しかもなんだかヘンな気分になるピンクだ)のマントだし、トンガリ帽は被ってない。代わりに頭に乗っているのはネズミだ。もちろんピンクの。
「き、きみ、だ……」
「あやうく射精しちゃうとこだったねぇ!」
「は?」
「いやぁ精通に立ち合おうかと!あまりにイイ匂いがするもんだから、ついフラフラときちゃったよ!」
「な、な……、ひゃっ!」
無防備な格好を見られて呆気にとられているところ、彼女はまくし立てた。
そして訳がわからずポカンとしていた僕のソコを、なんと何の躊躇いもなく!
掴んだのだ!
「ぅあっ、ん…は…ッ」
「うーん、さすが鬼の風紀委員長。噂どおりの大きさですなぁ」
「いや…っ!さわ、ちゃ…だ め…ぇッ!」
「…可愛い声。おチンチンこんなにして、気持ちい?」
「ひ、ぁはあ…っ!また、でそ……ッ!」
僕は必死に抵抗した。
いきなり入ってきた変人に自身を扱かれているなんて冗談じゃない。
相手を押し返そうと手を伸ばせば、触れた柔らかいもの。
「!」
「やだぁ、大胆ねぇ風紀委員長様は。いいよ、好きに揉んでても」
「ち、ちが…!ぅああ…っも、へんなっちゃ…ッ」
相手を突き飛ばすことすら出来ない。今の僕では、この女に適う力すら出ないだろう。
ぬる…と僕のソレに絡んできたのは、人より幾分長い舌だった。
「や、やァ!ぬるぬる…っする ぅ…ッ!」
「いつだしてもいいよ、全部飲んであげる」
「や、だ!やぁア…っ、先っぽ…!」
さっき僕がヘンになりそうになった先端ばかりを、舌先で何度も突かれる。
じゅるるっと吸われた瞬間に、僕の頭は真っ白。
「ひァ…っ!ふ ぅうンンッ!」
感覚がすべてショートした。
僕はこのまま死ぬかもしれないと思った。
熱さで意識がザワザワと侵食されていく。
僕は、この胸の痛みを、
まだ自覚していなかった。
─────…
「いや〜、随分とネバネバな苦いのを出してくれましたねぇ」
おかげで私はまた人間界で過ごすことが出来るわ!
僕が目を開いたとき、彼女は僕の上に跨るかのような状態で僕を見下ろしていた。
次第に、眠気を飛ばして躰の感覚が戻ってくる。
「ん、ぅう、ひ…ッ!」
ま、またあの感覚だ!
彼女は僕のことなど、これ知ったことかと上下に動く。
なにか未知の…熱くて柔らかくてぎゅうぎゅう締め付けられる何かに僕のモノは覆われていた。
「ひァ…っ!な、に…これ ぇ…ッ?」
「んん?女の子の中よ、気持ちいいかしら?」
「あ、あぅ…、んんぅうっやっ はァあっ!」
絡み付くドロドロ感に僕の頭は爆発寸前。
グリッと潰すように弾かれた乳首に腰が跳ねた。
彼女の頭の上にいたねずみが僕の身体の上を走り回って、むず痒い。
手でシーツを力一杯握らないと、意識ごとこの女に奪われてしまいそうだった。
「く…ッぁあア!!」
びゅくびゅくと何かを吐き出すような感覚で、また唾液が頬を伝う。
周りにはなんとも言えない生臭さ。
「あ、は…っ!5回やっても元気なんて、ほんと恭弥くんには適わないわ…」
くてん、と僕胸板に倒れてきた彼女を避けるように、ねずみはまた彼女の頭の上に戻る。
「今回の風邪は、思ったより楽しかったでしょ?」
まだハァハァと浅い呼吸を繰り返す僕の唇に、押し付けられた唇。
この行為の(意味は分からないけど)、大人っぽさとは似つきもしないほどのあどけない口づけ。
僕はこの胸の痛みの正体を、まだ理解していない。
「また、風邪でも引いたらきてあげるわ」
風邪など滅多に引かない僕にそう言い残して、彼女は靄のように消えた。
─そして僕は将来、ハリネズミ型の武器を手にする。
彼女が大きくなった僕でも、一度で見つけられるように。今度は僕が主導権を握ってやるという思いも込めて、ただのねずみよりハリネズミ。必ず、見つけてあげる。──
「………、」
消えてしまった彼女に寂しさと寒さを感じたのは、僕だけの秘密だ。
──────────……
この痛みの正体を自覚するのは、それから10年後の話
END
さて、僕は何を書きたかったのだろう?
文字制限で閲覧できないとのご報告頂きましたので、2つに分けさせて頂きました。
誤字脱字、辛口評価、
お待ちしております。
ありがとうございました!
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