お恥ずかしながら。 ワオ看護師さん?3裏 ゙ワオ、大胆…゙ 「…いりません。」 先程からそれの一点張り。 私は決して、その決断を曲げることは無かった。 もうすでに頬の少し赤い、雲雀先生。 「いいでしょ、ちょっとくらいさ。」 彼もその一点張りで、私にグラスを押し付けて一向に引かない。 由美ちゃんのカルテは、デスクの隅に追いやられて。 「はぁ…、」 中に入っているのは、何故かウォッカ。 時計は深夜を回り、悲しいくらいに静かな病院内。 「ちょっとくらいも何もありませんよ。」 まだ勤務中です。それでもあなた医者ですか。 軽蔑の眼差しを彼に向けるも、依然、とろんとした艶めかしい瞳がこちらを見つめるばかりで。 カラン、と鳴ったグラスの中の氷。 残業として残されたはずの私は、ありもしない雑用をずっと探しながら。 他の看護師は帰っているのにどうして自分だけ残されているのか、なんて野暮な質問は無しにして。 「男にはね、お酒でしか潤せない渇きっていうのが……、」 「帰りますね。」 「え、待って待って、嘘だから、冗談だから。」 慌て立ち上がる先生。 鬱陶しさを感じながらも、ここで止まってしまう私はやっぱり意気地なし。 「どうして私が先生の晩酌に付き合わなきゃいけないんですか…」 と愚痴を溢すも、患者さんが座る小さな回転椅子に座らされればそれも効果を無くしてしまって。 「晩酌に付き合いたくないなら、個人的な付き合いにするって手もあるけど?」 「晩酌付き合います。」 「…まぁ、今はいいか。」 何だかんだで選択肢には、「付き合わない」という欄はないのだ。 もしかしたら一生この関係?なんて縁起でもないことを考えて冷や汗。 「さ、ちとせもたっぷり飲んでよね。」 クスクスと子供っぽく、悪戯っ子のように笑う彼。 …何度もいうようだが、彼が小児科の先生なのは彼自身が子供だからだ。 自分は子供なんて好きじゃないくせに。 「わ、私はそんなに、いらないです…!」 並々と注ぎだしたウォッカにストップを掛けるが、どうにも酒で手元が狂ったらしく、今にも溢れそうになるそれ。 私があまりお酒に強くないのを知っていて、こんなにいれたんだろうか。 (だとすれば彼は酒で手元が狂ったのではなく、酒を理由に手元を狂わせた、と言った方が正しい。) 「かんぱーい、ちとせ、」 「か、乾杯…」 呂律も怪しくなってきましたよ先生。 キン、と澄んだ音でグラスとグラスがぶつかり、彼はそれをまた呷る。 「そんなに飲んで大丈夫ですか?」 聞くけれど、それすらもう耳には届かないようで。 私もちびりちびりとグラスを傾ける。 「ちとせ、そんなんじゃ飲んでないもおんなじだよ」 なんていいながら無理矢理私のグラスを傾ける。 それはちょうど、水筒の水を飲む女子生徒への嫌がらせのような。 どぷっ、と喉に、熱いものが流れ込んできた。 「ん…ッ、ふぅう…っ」 あ、ヤバイ、かも…。 急にアルコール、飲み過ぎ、た……。 目の前がぐにゃんと歪んだ後では、既に遅すぎる。 汚くともあのときちゃんと吐き出していれば…、 私に残ったのは、もう微かな意識だけだ。 「ちとせ、ねぇ?大丈夫?」 「は、ひ…、大丈夫、れすぅ…」 「ふぅん?あんまり大丈夫そうには見えないな…」 先生もほろ酔いなのかまだ火照る頬のまま、私の額に手を当てる。 なんだか楽しそうな彼。 「熱は無いみたいだけど…、詳しいことは分からないね。」 少しそこで横になったらどう? そう言って指差されたのは、患者さん(幼児)用のベッド。 何となく、そのとき何となくは気付いていた。 そのあとの展開を。 しかし今の私に、冷静な判断など出来るわけもなく。 「はぃ…ありがとうごさいますれす…」 素直に彼の言葉に従って、ベッドに横にならせていただいた。 …さすがは小児科。 大きな子供も来るとはいえ、やはり大人には小さいベッド。 足が少しはみ出てしまうから、膝を折って丸まるように横になる。 ナース服のスリットが、ひらりと捲れてしまった。 「ちとせ、ほら、そんな格好じゃ風邪引くよ…」 もうウトウトしかけていた私の耳に、先生の声。 はい、でも、寒くないですよ…むしろ熱い……。 「ほら…ちとせ、」 いつもより眠そう、というか熱っぽいような声で彼が私を呼ぶ。 捲れてしまったスリットのところに、雲雀先生の骨張った手がするりと這い上がってきた。 「風邪引くよ…?ねぇ、」 だけど私に、もう彼の声に答えられるほどの体力も残っておらず。 ふとももから更に上がろうとする手を振り払うので精一杯。 「やめ、てください…」 払っても払っても尚、擦りあげられる内腿に、お酒の熱とは違った熱が、身体の芯を蝕む。 「ふ…ッ、せんせ…っ」 「どうしたの、寒い?」 「ちが、ます…、熱い…ッ!」 「…ワォ。」 もう我慢の限界で、私自らナース服の横のチャックを下げた。 もともとお酒で理性の紐が脆くなっていたところに、いつも以上に熱い先生の手だもの。 正常な判断など、出来るはずがない。 「ちとせ、自分から脱ぐなんて、どういうつもり?」 嬉しそうな彼の顔。 半身を起こした私に迫ってくる先生に、脱がすように仕向けたのは誰でしたっけと頭の中で返事。 「先生が、いけないんですから…、」 私は迫る先生の胸板を押し返して、白衣の下に隠れたズボンのジッパーを探し出す。 手で先生の薄い腹部を辿って行くだけで、その盛り上がりはすぐに見つかった。 「先生もその気だったんじゃないですか…、」 「違うよ、ちとせがあんまりヤラシイ顔するものだから。」 でも僕、決めた人間にしかこんな風にしないよ。 先生は、もうすでに先生のモノに手を掛けていた私の顎を持ち上げて、言う。 「こういうのはまずキスからでしょ、看護師さん?」 「は、い…、せんせぇ…」 なんでこんなにも彼は素敵なんだろう…。 お酒の入った私にとっては、身体の火照りをなんとかしてくれる彼が、何よりも素敵に見えるのだった。 「んっう…、チュクッ、はぁ…っ、」 「あ…っ、ん、ちとせ…」 先生のモノを舐めているだけなのに、息を切らせる彼に私まで感じてしまう。 私の動作で少しづつ硬く大きくなるソレを見ているだけで、次は私がこの大きなモノに擦られるんだなぁと思うと尚更。 「先生、気持ちいい、ですか…」 「ン…ッ、イイ、よ…っ」 頭の上に置かれた彼の指先が、ピクピクと震える。 つつ…と溢れてくるものに口内を酸っぱくしながら、何か別の生き物のように跳ねるソレを出来る限り奥まで招く。 「は…ぁッ、ダメちとせ…っ!」 もう、離して…ッ! その言葉におとなしく口を離す。ここで一度だされてしまったのでは、次に準備が出来るまで時間がかかる。 私だってそれほどまで、我慢できそうになかった。 「ちとせ、今日は、君がしてくれるんだよね?」 ここまで僕をこんなにしたんだから。 惚けていた瞳がつぃっと細められて、いつものように吊り上がった眼光が私を射抜く。 額に浮かんだ汗の粒で、前髪がしっとりと張り付いてしまっていた。 「もちろん、です…、」 ここまで来ておいて、もう下がれはしない。 私は自ら先生の上に跨った。 「んッふ…っ、」 自分で自分のこんなところを触るなど、先生でなければ絶対にしない行為だ。 (だって先生に逆らうと、後が厄介だから…。) 「あっ、ちとせ、もっとゆっくり…ッ!」 さっきので僕ギリギリなんだから…っ、 先生が女の子みたいな台詞を言うけれど、理性のない私にはそれが届かない。 「はァあ…ッン!」 全部入ったのをよそに、今まで待ちに待った快感で、先生の胸板に倒れこんでしまった。 ひくっひくっと動く中のソレだけでもう充分なほどの刺激。 今にも気を抜けば達してしまいそうだ。 「ホラ…ッ、ちとせ。休んでないで動きなよっ」 まだ挿入の反動で息の切れているときに、ぐいっと先生の腰が押しつけられる。 そんなことされたら、たまらない。 「アッ、うぅン…ッは…、せんせっ、先生ぇ…っ」 呂律が回らなくなってきた。 私は彼の首に腕を回して、抱きついたような状態のまま腰を振る。 先生の爽やかな男の人の匂いに、クラクラしてしまった。 ガクガクして、膝で支えきれない。 「も…っ、無理です先生…ッ!」 あと少しでイけそうなのに、そのせいで動けない。 「んっ、仕方ない、ね…っ」 そう言って彼は私の身体を反転させ、正常位にもっていく。 さらりと額に彼の艶やかな髪が掛かって、一瞬だけ、先生のその綺麗すぎる瞳に酔い痴れた。 「すごい、イイ顔してるね…ッちとせ…、」 「ンぅ…ッ!ひぁあっ」 ずくんッと奥をいきなり突き上げられて、夜なのに患者さんが寝ているのも忘れて高い声を上げてしまった。 お酒はまだ抜け切らず。 「あッ、あぁッ!も…っ、先生ぇ…っ!」 「ふ…ぅ、分かって、るよ…っ!ンッ」 どちらも限界。 さっきから触覚以外の感覚が鈍ってきたような気がする。 先生の声も頭の中で反響して、ふわふわとエコーが掛かる。身体中が全身で快感を受けとめていて。 さらに激しさを増す行為。 「アァ…ッ、は、ひ…っ」 「んっ、ぅ……っ」 うっすらと開けた目と彼のとろけた瞳が合って、ふっと笑った先生が軽いキスを私の額に落とす。 「ん…ッ!先生っ、せんせぇっ!ぁ―――…ッ!」 「ン…っ、ちとせッ」 一瞬は全ての色彩が弾け飛んで、頭の先から貫かれるような痺れ。 お腹の奥に、熱い感覚。 中にある先生自身は、まだ休むということを知らず。 「せ、せんせ…、い、ま、中に……っ」 避妊具なんて着けてないんですよ!? それじゃなくても危険なのに……、な、中なんか出しちゃったら、…!! あわあわと焦る私に、ハァと呆れたように溜め息をつく彼。 まるで興醒めだと言わんばかりの表情なのに、まだ抜いてもらえないモノは元気なままで。 「で、できちゃったら、どうするんですか…っ!!」 「そのときは、結婚。」 「いやです!」 すっかりお酒は抜け切って、残ったのはだるい身体だけ。 早く、その…、ぬ、抜いてください、ソレ! 未だピクピクと脈動する中のモノに恐れをなし、抵抗を試みるが。 「まさか。君の残業は、まだ始まったばかりだろう?ちとせ。」 …不敵な笑み。 結婚だの何だのを流された当て付けか、次は噛み付くようなキスで私の息を塞ぐ。 まだ赤い、先生の頬。 「僕にはね、ちとせでしか潤せない渇きがあるんだ。」 「……これは…、」 残業手当て、出ますか。 言い終わる前に、先生はもう、律動を開始していた。 ――――――――――…… お酒が入れば、無敵です。 continue… 絶倫雲雀先生ー。 ではまた次回! [*前へ][次へ#] [戻る] |