小説 冬休み‐初めてのキス‐ 「最近…自分のこと避けてない?」 「えっ!!!!!」 うちは動揺した。 「…やっぱり…避けてるんだ」 「違うよ!!?避けてるわけじゃ…」 「じゃあなんで最近、自分のメール無視するの?」 意識してしまう自分が嫌で葵からの誘いを断り続けていたのだ。 「それは……」 「自分のこと…嫌いになった?」 「はっ?!!そんなことあるわけないじゃん!!」 「よかった…」 泣きそうな葵を見て、うちは思わず抱き締めていた。 「……志乃?」 うちは、はっ!と我に返った。 焦って葵から離れる。 「ごごごめん。」 葵はびっくりして、うちを見ている。 うちはどうしたらいいか分からなくて、下を向いていた。 (どうしよう…どうしよう…) 「志乃…こっち向いて」 「葵…あのね!!」 なんとか言い訳して、誤魔化そうと上を向いた。 「……んっ?!」 (何!!??) キスされたのだ。 「んっ……はぁ…はぁ……葵!!!…」 唇を離し、乱れた息を整えた。 「…嫌?」 (嫌って…) じっと見つめられると、何も言えなかった。 「…志乃?」 「……キス…初めて」 「嘘!!!ゆうきくんとは、しなかったの?」 「ゆうきとは…何もしてないから」 「……やったね」 「え?」 「志乃の初めていただきー」 そうやって言う葵のイタズラっ子ぽい目にドキドキしていたら、葵がベッドに潜り込んで言った。 「おいで」 緊張したけど素直に従った。 「おじゃましまーす…」 うちがベッドに潜り込むと、葵がぎゅーって抱き締めてきた。 「ぷはっ…葵ー!苦しい!」 嬉しいけど、何だか恥ずかしくて抵抗してしていたら、さらに腕の力を強めてきた。 [*前へ] |