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小説
冬休み‐気持ちの変化‐
「葵ー!!」

「よお!」

「来たよー!!お邪魔しまーす」

今日は12月24日。
ゆうきと、別れたばっかりのうちのために友達が開いてくれた"失恋パーティー"とは名ばかりの騒ぎたいだけの集まりが終わった後に、うちはアイツの家に来てた。
二人でクリスマスを騒ぎ明かすために。

ケーキを食べて、軽くお酒を飲んでいた時

「志乃ー…」
葵が抱きついてきた。

「どうしたの?」
うちは慌てた。
最近、葵のことが普通の友達として見れてなかった。
こんな気持ちになったのは体育大会の時からだ。
葵は足が速い。
普段、そんなに目立たない葵が走るとみんなの目を引き付けた。

葵は、中性的な顔で立ってるだけでもかっこよかった。

葵の周りをクラスメートが取り囲んでいる。
それを見て、うちは…
嫉妬してしまっていた。

「…志乃!!」

クラスメートから離れて、葵がうちの傍に駆け寄ってきた。

「速かったねー!!すごかったよ!!」

「かっこよかった?」

いきなり聞かれてうちはドキッとした。
動揺したのを気付かれないように、平静を装って笑顔で答えた。
「かっこよかったよ!速くてびっくりしちゃった。」

「本当に?嬉しい!!志乃にかっこいいって言われちゃった!!」

無邪気に喜ぶ葵を見て、うちは切なくなった。
(こんな風に嫉妬してるなんて…葵は思ってないだろうな…。)

この日を境に、うちは葵を意識するようになってしまった。
葵が他のクラスメートと話しているのを見るだけで、泣きたくなった。
苦しくて…苦しくて…葵を避けるようになってしまった。
ゆうきとも別れた。


うちは…
葵に…

恋をしていたのだ。

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あきゅろす。
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